変な話なんだけど、とにかくあとがきに度肝を抜かれてしまったよ。普通にメソポタミア文明の辺りの話を知りたくて本を読んでいたのに、まさか作者の全共闘時代の私的な感傷バリバリの呼びかけで本が閉じられるなんて……いや、全然イヤな感じはしないというか、むしろ作者がなんでこんな日本と縁遠い分野にのめり込んでいったかの一端が見えて、とても好感は持てるんだけど。っていうか急に熱くてイイですよね、このあとがき。めちゃくちゃ印象に残りました。
でまあ、本自体はシュメール人について一通りざらーっと基礎知識を与えてくれる感じでとても良い。神話の方から始めようかとも一瞬思ったんだけれども、やっぱりこういう文明全体の見取り図が先に頭に入っていた方がいいよなーやっぱり。洪水の話とかにも触れられていたとおり、キリスト教圏だと自分たちの文化と連続性を持って捉えることができるんだろうけど、オレたちには無理だからなあ……
ユーモア交えていろいろなポイントを教えてくれて大変面白いんだけれども、一番笑ったのは「定礎」かな……まさかそんな時代から定礎があるとか思わないじゃん。やっぱり建築ってのは文明において特異な営みだし、それには文字による証明みたいなものが必要とされるんだなープリミティブなんだなーと思っちゃいましたよ。