ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

陰謀論 民主主義を揺るがすメカニズム

 

とにかくあとがきがすげー。なんで買ったのか忘れてたんだけれども、あとがきを読んで思いだしたよ。そうそう、元ネトウヨだって話をTwitterで見かけたから買ったんだよなー。つい先日「歴史戦と思想戦 ――歴史問題の読み解き方」を読み終えたばかりだということもあって、めちゃくちゃ面白く読むことができました。

全体的に論旨が明確で大変良く、最後にきちんと各章の内容がコンパクトに収まっているのが素晴らしい。こういう新書って飛び飛びで読んだりして全体を俯瞰しづらかったりするから、最後にあれだけまとまっていると超助かる。内容的にもなかなか興味深くて、統計ではTwitterが陰謀論を生み出しているとは言い難いとか、右派左派どちらも陰謀論にハマる危険はあるとか、政治的な知識を得れば得るほど陰謀論を信じてしまいがちであるとか、面白ポイントがたくさん。ただそれらを総括しながら、しかし大事なのはどこからどこまでが陰謀論であるかを見極めること、ディベートの中で相手の言葉を「陰謀論」と片付けてしまう状況が一番マズい、みたいな実践的な注意も書いてあったりして、いやーやっぱりネトウヨ的な思考への反省が根っこにある人の話は大変頷けるなあ、と思うのでした。各章の内容はだいぶテクニカルというか、実際にどのように調査を行うのかという技術的な内容が書いてあって、想像とはちょっと違っていたけれども、筆者が書いているように、この本は立て付けからしてそういうデータの裏付けが明示されている必要があったと思うので、そんなに気にならなかった。