ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

君よ憤怒の河を渉れ

 

君よ憤怒の河を渉れ [Blu-ray]

君よ憤怒の河を渉れ [Blu-ray]

  • 発売日: 2018/12/21
  • メディア: Blu-ray
 

前から見たい見たいと思っていたのだけれども、やっと観ることができたのだった。サンキューNetflix。

日本じゃあんまりヒットしてなかったみたいな話は聞いていたけれども、見れば見るほど「中国で受けそう」って感じがする。高倉健のストイックな性格はまあいつも通り素敵なんだけれども、ヒロイン役の人がもういかにも中国で受けそうな性格にみえてしゃーない。日本じゃ敬遠されてそうだよねー。題材的にも、日本じゃこんなにストレートにやって良いのかい? って感じの反権力ムービーで、そりゃまあこんなのが中国で公開されたら共感されそうだよねえ、という感じがすごくする。

ところでリメイクの『マンハント』はなぜか映画館で見ているわけだけれども、いやーなるほどこの映画からバディの部分を純度高く引っ張り出したのね、というのがすごくよくわかる。手錠アクションも一応わずかには残されていたワケね。ぶっちゃけ映画の内容はほとんど忘れているんだけれども、ラストになんだかんだ製薬会社が生きていたことは思いだしてあーなるほどーとなるのだった。

しかしなー、ストーリー的には本当に全く何の意味もない倍賞美津子が良くてなー。ステップが軽やかな大滝秀治はなんか関根勤っぽくて面白かった。西村晃のザ・悪役! って感じもまあ素敵で良い。新宿西口で馬を走らせちゃうスペクタクルもストレートに驚きがあって、うん、これは色々見所のある映画で嫌いになれない。大味で嫌われちゃうのもわかるけどねー。

あーでも一点、あの緊張感を削ぐポコポコBGMだけは納得がいかない。何なのあれ。これから旅行に行くんじゃないんだからさ。

感染症の世界史

 

感染症の世界史 (角川ソフィア文庫)

感染症の世界史 (角川ソフィア文庫)

  • 作者:石 弘之
  • 発売日: 2018/01/25
  • メディア: Kindle版
 

なんかこれずいぶん前に買った気がしてるんだけどなんで読んでなかったのか。最初のほうはちょろっと読んでた気がするんだけれども、改めて読み直したらめちゃくちゃ面白くてペロッと一冊読み切ってしまったよ。

もちろん面白く感じているのは当然世の中の状況が変わったからというのはあって、コロナウイルスで大変だからこそ面白く読めたワケだけれども、えーこの本そういうの抜きにしてもめっちゃ面白くないですか? 第1次世界大戦はスペイン風邪が終わらせたみたいな話はなんとなーく聞いたことがあったような気がするけれども、そもそも軍隊における感染症による死亡者がそんなに多いとか、さもありなんだけどビックリしてしまいますわ。

全体的に医学の専門書ではなくて歴史寄りの描き方なもので、医療知識なくても全然読めます。世界史というわりには雑学の集積みたいな感じの趣もあってそこら辺はちょっと残念かなーと思うけれども、ローマ帝国と漢で感染症の好感が会ったみたいな雑学山ほど喰らうだけでもー大満足ですわ。

あとエイズが社会的にどのように受容されたかみたいな話もしっかり書いてあって、あーなるほどあの病気が社会に与えたインパクトってこんなにも大きかったのね、と今更納得。いや小さい頃から怖い病気怖い病気言われてて、ゲイコミュニティのなかでどのように広がって……みたいなところがあんまりよくわかんなかったからねぇ。

あ、あとワクチンの有効性についても強く取り上げられていて大変良いと思いました。これを読んだらワクチンを受けさせないのはちょっとどーなのと思ってしまいますよねえ観光立国日本。

アフリカン・ドクター

www.netflix.com

こういうドラマって「あーはいはいいい話のヤツね高尚でよいですね」ってなっちゃうことがなんだかんだあるけれどもこれは不思議と最後まで楽しく観られるのは一体何なんだろうか。小難しいことはせずにストレートに文化の衝突をやっているからだろうか。それとも主人公のキャラクターに共感が持てるからだろうか。うーん、不思議。

いや本当にちゃんとしてるなーって内容で、適度な緊張感と目的意識を持ちつつ、ストーリーが上手く回っているのは本当に良いと思います。娘のサッカーのくだりなんて、もう展開見え見えなんだけれども、それでもうおーよかったねーときちんと落ち着くのは素晴らしいなあ。

あとクリスマスにはちゃんと奇跡が起こるところとか、演劇でわかりやすいほどわかりやすい風刺が起こっちゃうところとかも、普通に考えれば「えー?」って感じなんだけれどもちゃんと納得できるものなあ。なかなかナイスなリアリティレベルであります。

うーん、やっぱり主人公のキャラクター性に好感が持てるのが一番良いのかなあ。金のためではなくて信念のためにフランスにやってくるところとか、その忍耐強さが孤児から医者になったところに求められるところとか、結局サッカーでエキサイトして目をヒン剥いてしまうところとか……聖人君子じゃなくてコンプレックスがちゃんとある人物なのは良いよねー。

あと映画の転換点となる出産シーンは文句なしに素晴らしい出来だと思いました。ああいうユーモアはなかなか出せないよなー。

アウトブレイク

 

アウトブレイク [Blu-ray]

アウトブレイク [Blu-ray]

  • 発売日: 2010/04/21
  • メディア: Blu-ray
 

はずかしながら初めて見たのだった。まーコロナがこういう状況だし見ておかねばならんとは思っていた。

まず何よりもケヴィン・スペイシーがそんなんでいいの!? というのが超疑問。いやまあ大物揃いの中だしキャリアでいうとまだそんなに……の頃なのかも知れないけれども、中盤で呆気なくドラマもそんなになく死んでしまって私ビックリしましたわ。

ウイルスの本をちょうど並列して読んでいるのだけれども、これは多分エボラ出血熱をベースにして考えられてるよねー。潜伏期間が短く発症後すぐに死にいたるみたいな性質がキーになっていて、そうじゃなかったらこれほど早期に感染源が特定されることは不可能だしロックダウンもできない、と。

爆弾落として解決! というのはいかにもアメリカだなーとは思ったけど、町から脱走しようとする市民が描かれているのにもアメリカだなーと思った。主人公たちが軍の看板で独立して行動するのは、まあ、エンタメのために仕方ないのかなーと思わなくもないけれども、市民がああやって外に出てバンバン車を叩いたり脱走したりしてしまうのは、合衆国憲法の国だなーというかんじ。

しかしなー、これ主人公がダスティン・ホフマンというのがこの映画の難しさを象徴してるよなー。トム・クルーズだったらヘリも自分で操縦してガンガン問題解決しちゃうんだろうけどなー。この筋書きでテレビをハックする展開を納得させられる役者って、うーん、思いつかないぜ……

ホース・ソルジャー

 

ホース・ソルジャー(字幕版)

ホース・ソルジャー(字幕版)

  • 発売日: 2018/09/12
  • メディア: Prime Video
 

ううううううん……なんて、能天気な映画なんだ……いやあ……エンタメとして愛国心バッチリで描くためにはこういう割切り方をしなきゃならないのだろうなーと言うのはわかる。いやまあ実際それがちゃんと功を奏してるよなーとも思う。思うんだけれども、いやー、本当にそれでいいのかしら……愛国心にバッチリ答えるために相手に言い訳させないで躊躇なく殺せまくっちゃってどうなのよ? こっちの兵士はヘルメット被らないのにタリバン側は顔を見せないとか、そういうレベルでの気の演出がもう徹底しすぎてね。っていうか良くわかんないんだけれど米軍側がヘルメット被らないのは史実通りだったりするの? 実際ノーヘルの撃ち合いがヒヤヒヤして見てられなかったんだけど。アフガニスタンの政治状況がぜんぜんよくわかってはいないのだけれども、分かってたらコレもうちょい安心して見られるのかなー?

まーしかし戦闘シーンについてはなかなか面白くて、馬メインで戦場を描くというテーマであーなるほどこういう戦闘シーンになるのねという納得があった。戦車がいっこあるとやべーなーとか、それを中心に戦場が構築されていくんだなーとか、あと空爆って味方にしたらそりゃ心強いなーとか。丘陵地には心理的に結構な圧迫感があるなあというのも、まあ映像で見れば一発だよねー。

鉄拳とジャンプキック -カンフー映画の舞台裏-

www.netflix.com

うおおおおおおおおおおおお!!!! すげええええええええええ!!!!

感動!! 超感動!! 今まで知識として蓄えていたサブカルチャー的なあれやこれやが、カンフー映画の流れを抑えるだけでバシバシバシッと繋がっちゃうってマジ!? ちょっと信じられないよ!!

いきなり女性主人公に焦点を当ててたり、今話題のホワイトウォッシングがいきなり俎上に上がってる時点で「お?」と思ったけど、カンフー映画が弱者のための作品という観点から公民権運動が起こっているアメリカで受け入れられた、という説明でまず目からウロコ。でそっから黒人向けの作品との併映を経て、それがヒップホップ・ブレイクダンスに繋がるとか「まじですかー!?」という感じ。挙げ句パルクールやマトリックスまで一直線に繋げちゃって、うーん……カンフー映画って実は世の中の全ての事象を説明できる表現だったのでは!?

カンフー映画はたまに見るけれども背景はよくわかってないので、ショウ・ブラザーズとゴールデン・ハーベストの関係なんかはなるほど納得。ロッキーの特訓モンタージュが少林寺三十六房にインスピレーション受けたとか、いやーそんなのわかんねーよ。あとはブルース・リーとかジャッキー・チェンの位置づけもね、大変よくわかりました。あとサモ・ハンがでてくるとやっぱり「おっ!」って身を乗り出しちゃいますね。

そしてラストにウガンダを持ってくるの面白すぎる……理にかなってるけど尖りすぎててちょー面白い。いやあ、全然期待していなかったけれども、めちゃくちゃ知的な感動に満ちていて終始目が話せませんでした!

ブラック・クランズマン

ブラック・クランズマン [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]
 

え!? と思うくらいエンタメに振った内容でびっくりした。スパイク・リーだからもっと変なことするのかなーと思ったけど、序盤の暗闇での演説の謎の顔カット(あれなんなんだろう)くらいだったよねー思いっきり変なのって。いやでもあの顔カット本当になんなんだろう元ネタがあるのだろーけど。

KKKをテーマにこの監督が映画を撮ったらそりゃ『國民の創生』バチコーン! と来るよねえという感じで、あーここら辺はもう自明なのね。ただスパイ映画ということもあって立ち位置が逆転してる部分があるのが大変面白く、アダム・ドライバーが白人の歴史を学ばせてくれみたいな話をしていたのには思わず笑ってしまった。いや笑うところじゃないのだろうけれども。行動するときに自分がなぜここにいるのかという歴史を学ぶ行動をとったり、それに対するガイダンスが当然あるのって、どう考えてもまっとうなことだよなーと思う。

いやー、しかしこのくらいの塩梅ならいいですね。スパイク・リーってどうしてもこう肩に力が入ってしまって……いやまあようやく自分もこういった映画の内容をサラッと理解できるくらいの基礎知識がついてきたってことなのかもしれませんが。