ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

フォレスト・ガンプ 一期一会

 

うおー、今見ると色々複雑な想いを抱く内容になっているなー。

いや、これすげー昔に見ていて、小説の方も読んだはずなんだけれども、当時の自分からしてみりゃ公民権運動のあれやこれやなんてわかるはずもなく、だからまあふつーのエンタメオモシロ話として見ていたワケだけれども、少なくともこの映画版に関してはそういう見方で間違ってねーよなー。っつーかまあフォレスト・ガンプが名前からしてかなりアメリカ史に対して挑発的な立ち位置であるはずなのに、色んなものが脱臭されてこういうエンタメになってしまっているのはある意味めちゃくちゃ邪悪だよなー。フリーセックスでエイズになってしまうヒロインに、エンタメ的な障害みたいなのを全て背負わせてしまって、トム・ハンクスが主人公ならではの無敵さを、しかも障害者として発揮してしまっていて、二重にタチが悪いという感じ。「イノセントであるからこそ社会の問題を指摘できる人間」ではなく、「イノセントであるから社会の問題と距離をとる人間」としてキャラクターを描いており、それは逆に「社会の問題に積極的に関わる人間たちが愚かである」みたいな規範になりかけているよなー。

そういう意味で、あのOPの風に舞う羽根の描写と、あととにかく即物的に人間の人生を肯定してしまう汚れた靴の描写、めちゃくちゃ映画的に巧みであるだけに、めちゃくちゃ厄介。「おまえ全然『國民の創生』の反省がねえじゃん」みたいな批判もまあしたくなるよね。

スリーメン & リトルレディ

 

スリーメン & リトルレディ [DVD]

スリーメン & リトルレディ [DVD]

  • 発売日: 2004/06/18
  • メディア: DVD
 

いやあ……コメディとしてはかなり質が上がってる気がして、ちゃんと面白いんだけれども、これ、「リトルレディ」の話じゃなくなっちゃってるのはクソもったいないよね……メインが親たちの恋愛話になっていて、まあその時点で3人で子育てという要素がだいぶ弱まっててアレなんだけれども、そこにリトルレディが積極的に絡まないのは、根本的にプロットの立て方を失敗していないかなあと思う。だって子役がメインなんだから、子役の魅力をたっぷり見せていくだけで、もうだいぶ勝ちって感じの内容のはずじゃないですか。ストーリーでも大事なところでの転換が「子はかすがい」みたいな感じになるべき内容のはずなのに、そこら辺がたんなるお題目になっちゃってるのは本当に良くないと思いました。いやまあブロードウェイからイギリスに行って、イギリス人へのコンプレックスバリバリで……みたいな感じのニュアンスってあんまり慣れてないから「ふへーこんなふうに描写するのかー」って興味深くはあったけれども、本来そういう楽しみ方する話じゃないよねえ。

しかしそういう質面倒くさいことを全てうっちゃって、あの校長先生の怪演は見事の一言に尽きる。いやー、あの展開がコメディとして成り立つのは役者力としか言いようがないよなー。登場シーンからひと目でわかるあのウザさ、なかなか出せるもんじゃないですよマジで。

Diner ダイナー

 

Diner ダイナー

Diner ダイナー

  • 発売日: 2019/12/18
  • メディア: Prime Video
 

いやー、ひどい。原作がめちゃくちゃ面白かったんだけど、同じ原作を見て作ったようには思えない。っつーかなんでこの監督にあの原作を渡したんだ? マジで意味がわからん。

原作の良い所って、殺し屋のガンガンいる世界で掃除と料理をやるところだと思うんだけれども、真逆の認識してるよなー。衛生的には全く見えない店内と、全く美味しく見えなそうな料理を見て、余りの認識の違いにむしろ笑えてきちゃったよ。っていうか、この料理で「美味しさ」の表現手段が、食っている人間のリアクションしかないってちょっと方法として間違ってないですか? ライティングが全く美味しそうな色合いに見えないのもそうだけれど、調理方法とかそこで出る音とかで味を想像させることって普通にできるじゃない。血まみれで料理をするところもそうだけれども、根本的に料理することそのものを尊く見せる努力に乏しいように見えるんだよなー。それってこの映画にとって結構根本的な問題ではなかろーか。

主人公のや造形も全く認識が異なっていて、究極のサバイバル状況に強制的にブチ込まれて、生きる事に特化して料理にたどり着くはずなのに、ちゃんと生存のために行動しなきゃならんところで無駄に泣き叫ぶとか、うーん……ボンベロも、最初から主人公のことを気にしすぎててもう全く解釈が違う。彼にとって主人公って消耗品だったはずでしょ? なんで最初からあんなに対等な感じで怒ってるの?

挙げ句急にバトルシーンでマトリックス始まっちゃって、もう爆笑が止まらなかったよ。そもそもバトルシーンや痛みの表現もひどいしさ(なにあの屁みたいなカード攻撃?)、ほんと、原作レイプってのはこういう作品のことを言うんだろうなーと思いました。

チョコレート

 

チョコレート

チョコレート

  • メディア: Prime Video
 

あー、このタイトル「チョコレート」にしちゃあかんでしょ。原題と邦題ではラストに受ける感慨が絶対違ってくるって。これだけ視聴者に答えを投げかけている作りなのに、この皮肉の極みみたいなタイトルのニュアンスを抹消してしまうのは、マジで有り得ないと思う。マジで有り得ないと思いつつも、いやしかしこれじゃあどんな邦題が適切だったかというとなかなか難しい問題ではあるよなあ……ただ、こんな無難な単語に収める内容ではないと思う。

しかし思った以上にシンプルで直接的な話なのが面白いなあ。こんな内容で2時間持つんだ、というのが逆に不思議だったりする。ライティングとかもそうなんだけれども、なんでこんなにこなれてない感じがするのだろうか。超不思議。まあ、そんなちょっと「どうなの?」と思う画面でも、じっと釘付けになってしまう役者力に負けましたって感じはある。上質の材料を使って過激な料理をシンプルに仕上げました、という感じだよなー。味わうこちら側にだいぶ判断が委ねられている感じ。

そんななかで「セックスはものすごく見せるぞ!!」という謎の強い意志が伝わって来てちょっと笑ってしまう。いやまあ笑うようなしつこさがまあちゃんと映画の中で機能してるからすごいんだけどね。ストーリーとしては、明らかにあそこでマジックが起こってる感じだもんなー、あんなに目の離せないセックスシーンで、しかもハル・ベリーがきっちりと仕事をやり切っているのが、とても良いと思いました。

トム・クルーズ-永遠の若さを追求して-

 

うーん、おフランス! 一時はハリウッドの象徴だったトム・クルーズに、「オレたちならどんなヤバいことでも言えるで!!」って感じでガンガン突っ込んでいく感じがたまんねー。

っていうかさー、今当たり前のアクションスターになっちゃってるけど、よく考えたら確かにトム・クルーズってすげー役者なんだなー。意識した頃から大スターだったから全然気にしてなかったけど、「ハスラー2」「レインマン」あたりからキューブリックとやるまで、確かに演技派としてきちんとやろうとしてたように思えるわ。今のトム・クルーズって、ある種トム・クルーズのセルフパロディみたいなところがあって、「ナイト&デイ」とかはもうトム・クルーズじゃないと成立しないなんかものすごい映画になってたよね……

でもまあ、「永遠の若さを求めて」みたいな内容って、まあこの年くらいまでだったらまあまあ役者として有り得る内容だよなあ。肉体派で男らしさを全面に出したアクションスターってそういうものじゃん? これからどうやって歳を取るかだよなー。クリント・イーストウッドとか、そういうあたりをきちんと作品に取り込んでて偉いなーと思うんだけれども、ミッション・インポッシブルのトム・クルーズだとなかなか難しいよなあ。体形も、がんばっているけれども、やっぱり若者を演じるには胴回りの太さが厳しくなってきたしね。まあでも、映画スターを続ける限り、これから絶対向き合うところのはずなんで、実はかなり期待しています。

キューブリックが語るキューブリック

 

うーん、あんまりおもしろくないな。

自分真面目にキューブリック監督を追いかけているわけじゃないけれども、触れられている内容で特に目新しい情報があったわけじゃなく……キューブリックの肉声とか、あと一緒に演じた役者のインタビューが入っていたのは面白いなーと思ったけれども、しかしそれがめちゃくちゃエキサイティングかというとそういうわけでもなく……映画も時代順とかに並べられているわけじゃなくて、テーマごとって感じだから、大筋もなんかこう散漫に感じちゃうんだよねー。

例えば報道写真からキャリアが始まった辺りとか、もうちょい深く突っ込んでも良いと思うんだけどなー。バリーリンドンの「撮影中動いちゃいけない」って最初なんのコトかと思ったけど、あれって別に手ぶれとかの問題じゃなくて例のPlanar 50mm f/0.7 使ったから被写界深度がクソ浅いとか、そういう話だよね。そこら辺の予備知識がないとなに言ってんのか性格にわからなかったりするのはどーなのよ?

あとどうでも良いけどこれフレームレートが補完されてたりしません? BSで見たんだけど、なんか映像がヌルヌルして気持ち悪い箇所があったよーな。単なる勘違いであろーかしら。

怒りの葡萄

 

怒りの葡萄(字幕版)

怒りの葡萄(字幕版)

  • 発売日: 2020/05/17
  • メディア: Prime Video
 

ジョン・フォードの西部劇以外の映画を見たのは初めてかしら。うーん、名前はもちろん知っていたけれども、さすがに良いな……

まあとにかくトラックが良い。ぷしゅーと蒸気を噴き出しエンストしながらとことことことこ走っていくトラック。明らかに過剰な荷物と共に託された一族の声明。砂漠を越えて向かうは西のカルフォルニア。途中で容赦なくジジババが死ぬ。いやあ、超アメリカって感じ。西部劇じゃなくても叙情が映像からバシバシ伝わってくるのは、うーんさすがジョン・フォードって感じだよなー。

まあしかしそれにしてもかあちゃんの映画だよなー。ある種聖人となってしまう主人公の独白は、困惑の台詞で受け取る母親の視点がなければ、アレ結構ダダ滑りになりかねないところだったよなー。いやあ、あのシーンはとても良いですね。

それにしても、まあアメリカってダイナミックな国だよなー。そうかートラックが走る時代でもカリフォルニアってガンガン労働者を受け入れてたんだよなー。トラクターが小作人を追い出して集約農業に突き進んでいくんだなー。そしてジョン・フォードはちゃんと労働運動みたいなものをテーマに映画を描いてんだなー。「赤狩り」が映画界に吹き荒れる前の時代だよなーなるほどこういうものがつくれたんだなー。なんか色々内容以外にも興味深い内容でございました。