ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

86―エイティシックス―

 

86―エイティシックス― (電撃文庫)

86―エイティシックス― (電撃文庫)

  • 作者:安里 アサト
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/04/09
  • メディア: Kindle版
 

まーやりたいことはわかるしとても楽しくかけてていいなーとは思うんだけどまーちょっと題材が背伸びしすぎだよね。明らかにバックグラウンドにリアルな出来事が敷いてあるんだけれども、まあそれから綺麗にロジックを切り出してしまっているのがかなり食い足りないというか、むしろ現実のヤバいところを漂白しちゃってる感じでどーもしんどい。っていうか現実の方がよっぽどおもしれーよなーと思う。

いやでもその構図をラノベの図式に当てはめたときに面白さが生まれればいいだけの話じゃん? とかも思うんだけど、うーん、あんまり面白くなっているようには思えないんだよなー。別に自由とか人種とか肩肘張らなくて良くない? 無理してそういうの扱わなくてもさー、設定とバトル描写でまずやれば良いじゃん。ヒロインの方が身の丈に合わない抽象概念に振り回される度に、いやそれちょっと作意が過ぎて全然乗れないんだけどなー悲劇のための悲劇になってるもんなーと。

あとキャラはねー、ちょっとカッコつけすぎで、カッコ悪いところもうちょっとみたいよなーとは思うよねー。やっぱり魅力的なキャラクターには弱点が必要と小池一夫御大もおっしゃっていたわけですし。人間臭さが全然なくてどーもねえ……

もんじゃの社会史―東京・月島の近・現代の変容

 

もんじゃの社会史―東京・月島の近・現代の変容

もんじゃの社会史―東京・月島の近・現代の変容

  • 作者:武田 尚子
  • 出版社/メーカー: 青弓社
  • 発売日: 2009/01/01
  • メディア: 単行本
 

きっかけがあって読み始めたんだけど、うおーおもしれー。こういう本が読みたかったんだよって感じ。

月島、というか佃島のあたりで一番最初にネックだったのは「水」で、だからあまり人が増えなかったとかもうそこら辺から超面白い。そうそうそういう都市の成り立ちを知りたかったんだよー。

もんじゃの成立をきちんと区分けして、ことある毎にその違いを振り返りつつ、変遷を丁寧に追いかけたのも超好印象。事例を挙げつつ進めていく本って、散漫な事例の紹介になりがちだと思うんだけど、この本は芯の部分がしっかりしていて本当に読みやすい。読みやすいのマジで大事だと思う。壷の中から黄金が出てきた話とか、モチ明太がブレイクスルーだった話とか、個別のエピソードが面白すぎるでしょコレ。

マクロ視点を最初に抑えながらも、きちんとミクロの話を拾い上げていくのも素晴らしい。どのような立場の人がどのようにもんじゃに参入していったとか、なるほどなあと納得させられる。キャベツの貸し借りとか天かすの秘伝とか、あーこういう生きた細部が知りたかったんだよなーとホクホクしながら読み進めました。

ってか、これを読み終わってすぐ思わず月島行ってもんじゃを食べちゃったりしましてね。我ながら単純である。

欲望の名画

 

欲望の名画 (文春新書)

欲望の名画 (文春新書)

  • 作者:中野 京子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2019/08/20
  • メディア: 新書
 

こういう本は物理本だと「うおー」と思うのだろうけどKindleだとまあふつーのデータだからなー。タブレットで読んでるからサイズ的にも見てるものは変わらんはずなのに、うーんなんか感動が……というのはちょっとある。

謎解きをガンガンしてくれるのかなーとちょっと期待したのだけれども、まあ色々シリーズが出ているからかもしれないけど、有名画家の作品であってもそんなにメジャーどころには行かなかったりしてうーんと言うのはある。まあドラクロワの絵みたいに謎解きをほっぽって当時のフランス概況とかずらずら並べられても困るしなー。でも後半は結構歴史的なバックグラウンドが並べてある内容になっていて、序盤のこれはなんの象徴だとかガンガンやってもらった方が面白かったかなー。あ、でも自画像を描かない画家が少ない、というのはなかなか面白情報でした。フェルメールはだからあんまりイメージ湧かないってのもあるよねえやっぱり。

まあでもしかし、何かに集中してフォーカスするのではなく、絵画をネタにした四方山話という観点ではまあ楽しく読める本であった。世界史学んでてよかったーという感じ。シリーズをもうちょっと追いかける気にもちょっとはなりました。

 

 

チャーチル ノルマンディーの決断

 

チャーチル ノルマンディーの決断 [DVD]

チャーチル ノルマンディーの決断 [DVD]

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2019/03/27
  • メディア: DVD
 

こないだゲイリー・オールドマンのチャーチルをみてなるほどなーって感じだったのでこれも見てみた。まーアレもなかなかシブくてしんどい話だなーとは思ったけど、こっちはさらにしんどいしんどい。人間チャーチルを人間くさく描いてる作品であって、自分も知っている偉人ではあるけれど、そりゃまあ確かにあの性格ならこういうふうに捉えられるのだろうなーと思った。っつーかこのタイピストってあのタイピストだよねーやっぱり。

話としてはもうクッソしつこくチャーチルのダメなところ? いやまあそう判断できるのは結果を知っている自分だから言えることだけど、まあとにかくそういうチャーチルの葛藤を延々描いている作品であって、大変辛い、のだけれどもそういう辛さが必要な作品なのだろうなあ。神に雨を祈りだしたところとか、あの突き抜けた情けなさ、というかなんというかは、ここまで積み重ねないと出ないのだろうしなあ。そういう、史実としての正解と、倫理的な葛藤の上で、延々綱引きをし続ける作品。

でもってラストシーンの浜辺、普段なら別にどーとも思わない一言なのかもしれないけれど、ドキュメンタリーでチャーチルの絵をみちゃってるからちょっとジーンときちゃいますよねアレやっぱり。こういう決断を強いられ続けた人間が日曜画家としてああいう素朴な絵を描いたんだなーと思うとねー。

エイリアン4

 

エイリアン4 (字幕版)

エイリアン4 (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

そういえば感想を書くのが遅れてしまった。

冒頭でクローン技術で復活! というところから、もうなんというか色々大変。まー3であんなことになってしまったからしゃーないといえばしゃーなく、面倒くさいことはいわずにジャン=ピエール・ジュネが監督でグロさが格段アップしたエイリアンを楽しみましょーという感じ。エイリアンも窓越しで液体窒素をかけられて飼育・観察されるもんで、そこまで行ったら最早存在ではなくその振る舞いで恐怖を見せなきゃいけないよねー。CGでアクションするのはだから理にかなっていることなのか。確かにあの体つきで水中を泳がれるとまあコワイはコワイ。でも2みたいに「どこから襲ってくるのかわからない」ではなく、「追いつかれるところが見える」演出になるのだよなー。

でもまあ、一番怖いのはリプリーのクローン失敗とか、あるいは人間との合いの子で、まあ人間が人間でなくなってしまうのは怖いよって話ではあるよね。エイリアンはキモいけど、明るい光のみれば別に「そういう生き物かー」ってだけで、むしろ「我々が我々でなくなってしまう」ことを暗示する姿の方が恐怖を煽るのはわかる。

しかしフェミニズム的なテーマでいうとどうなのだろうなーという気持ちもある。色んなものがごちゃごちゃになって、結局物語としての構造が成立しなくなってしまうと、そこでお話もどーでも良くなってしまい、うーんやっぱり物語とステレオタイプの関係は難しいぜ……

グランド・ブダペスト・ホテル

 

グランド・ブダペスト・ホテル (字幕版)

グランド・ブダペスト・ホテル (字幕版)

  • 発売日: 2014/09/10
  • メディア: Prime Video
 

ウェス・アンダーソンですねーウェス・アンダーソン。ザ・ウェス・アンダーソンって感じ。

まずもって入り口が大変良いよなあ。この作品、ホテルが主役なのかなーと思っていたが相ではなく、むしろそのホテルで歳を重ねたコンシェルジュが主役で、そこに歴史的な年輪が積み重なっているのを楽しむ作品だよなー。あのビミョーに汚い浴室で声をかけられるシーンの色気がほんと堪らん。湿気とカビの感じが、ホテルに積もった時間をしっかり伝えてくれている感じ。

ホテル・お屋敷・汽車・牢獄と、まあ垂直アングルが生える場所が多用されるのは当然ではあり、そこに個性派俳優がガンガン顔を並べて、うーんこれは折り詰め弁当だよなーって感じがすごくありますね。

内容的には第二次世界大戦を敷いてるとは思うんだけど、これだけやってユダヤ人っぽいあれやこれやを置かないで、トルコ人との交流に収めるんだなー。ハンガリーあたりのトルコ人の立ち位置がイマイチよくわかっておらんのだった。

脱走劇はどーしたって『穴』を思い出しますね。あんなに都市から隔絶された場所から脱出したと思ったのに、出口は四方を壁に囲まれた立地で思わず笑ってしまう。そこからの斜めアングルでの脱出はやっぱり面白く見えますねー。

あと途中の電話の連鎖パート卑怯。アレだけの人生を生きているとああいう奥の手もあるよなーとかホテルのネットワークがあるんだなーとかそういうのが一気に想起できてしまって、うーん真骨頂だなーと思いました。

トゥルーライズ

 

トゥルーライズ [DVD]

トゥルーライズ [DVD]

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2012/10/12
  • メディア: DVD
 

わはははははは、こんなアクションコメディある? 実際似合わないエージェントを演じるシュワルツェネッガー感が、ジェームズ・キャメロンの大作感と合わさって、いやーとんでもない映画になってますね。なんだろーなこの底抜けなハッピー感。映画としては良くないとは思うけど、私嫌いになれません。

そもそもジェームズ・キャメロンが夫婦の恋愛を、CIAごときのスケールで描けるはずがないんですね! 鏡越しの尋問シーンなんて、アレ人間スケールで見たらかなり倫理的にヤバい展開じゃないですか。もっと突飛でSFで宇宙でコミュニケーションを断絶する存在こそが、キャメロンにはふさわしい! 差し挟まれるコメディーも、勘違いだのなんだのをちゃんと抑えているのはわかるんだけれども、なんかこうクセがあるんだよなー。やっぱカナダ人だからなのかなー(偏見)。

しかしなー、絶対こんなに時間かける内容の話じゃないよなー。もちろんアレだけ尺があるとテロリストの強さが立つのはわかるけど、でもあの馬に乗ってのチェイスシーンの贅肉モリモリ感は笑わざるをえない。ゆっくり上るエレベーターの尺の長いこと長いこと。いやー、今更こういう発見をしているのもナンダカナーとは思うけど、やっぱ面白いなージェームズ・キャメロン。