ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

新感染 ファイナル・エクスプレス

 

新感染 ファイナル・エクスプレス [Blu-ray]

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いやーラストがいいね。とてもいい。別れのシーンで歌をうたわない意味がわかんねーなーと思ったら、ラストからの逆算だったとは思わなかった。こういう奇跡をきちんとつくられると、大変うれしくなりますね。いやー本当にラストだけでも価値のある映画。

今回は列車という縦に長い車両を舞台にゾンビアクションを見せる趣向で、この舞台でどのようなアクションが行われうるかという点がきちんと考慮されていて大変良い。「車両ごとの隔離」をベースにしつつ、トイレへの避難や荷物スペースの利用、トンネルの活用など、まあ大体やれることはやったよねーという感じ。ただもちろんそのスペースだけで2時間やりきるのはキツいので、一度駅でのアクションを挟んでいたりするのも気が利いている。というか空中から落下するゾンビのビジュアルを見せたのは本当に素晴らしいと思います。

唯一惜しいと思うのは、ラストの奇跡に「他人を救うこと」という前半のテーマがなにも関与していなかったこと。いっそ兵士達も殺す気満々だったら、主人公の変化がきちんと生きたラストになったと思うんだけどなあ。

しかしなんで韓国人は中年の小太りなおっさんを強く描くのか。あのおっさんの活躍が、一般人がゾンビと戦えるという価値観の転換点となっていてすげえ謎。やっぱり「父親のおっさんは強くある」とかそういう文化的なバックグラウンドがあるんだろうなー。

T2 トレインスポッティング

 

T2 トレインスポッティング [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

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無印から立て続けに観た。

連続したからこそ拾えるディテールもたくさんあって、まあとにかくきちんとした続編だなあと感じた。リアルに20年経ってから20年後の続編を書くというのはまあ本当に洒落ている……というかむしろ戦略的だなあと思う。

そう、この映画はめちゃくちゃ戦略的だ。前作はとにかく散文的な日常に突然ドラマが持ち込まれる構造で、それは正直意図的かどうかわかんねーなーと思うのだけれども、今回は明らかに全てがコントロールされてる。冒頭からいきなり心筋梗塞が起こる超ドラマティックなストーリーは、作中作といういかにもわかりやすい形で紡がれる。超印象的なオープニングは適切な場所で適切に使用されて恋愛を成就させるマジックとなるように、20年前の出来事がストーリーの転換点をきちんと準備している。ストーリーにはきちんとエンターテインメントして前作の無意味な自然パートさえ取り込んでしまう。ぶつ切りで途切れる音楽は何度も繰り返された挙げ句、当たり前のようにラストで前作の冒頭につながる。適切。適切。適切。適切なストーリーは好きなはずで、ここまで洗練されると正直鼻白んでしまいそうだ。

しかしまあそんな小癪な戦略に対する反感も、役者の顔の説得力が全部塗り潰してしまう。それぞれがそれぞれに歳を取っていてそれだけでも20年の時間に唖然としてしまうのだけれども、とにかくユエン・ブレムナーの説得力が半端ない。同じキャラクターを演じていて根本的にはなにも変わっていないはずなのに、しかしその顔に刻まれた皺が彼の過ごした時間を想起させてたまらない。街を出たところでストップモーションで止めてしまえば良かった作品は、強制的に再起動されて20年後のリアリズムでエンターテインメントなストーリーを語っている。それもまた大いに戦略的ではある。

 

トレインスポッティング

 

トレインスポッティング [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

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T2がNetflixに来てたのに気付いたんで1回復習しておくかーと思って観た。サントラはまあまあ聴いていて、また例のOPとかあと部屋がぐいーんと伸びるシーンとかはさすがに何度も目にする機会があるけれど、はっきり言って内容は全然憶えてない。イギリスの薬中の話だよね、くらい?

で、改めて見るとうーんみずみずしい! それぞれのエピソードは結構とっちらかっていて、例えば自然のなかにやってくるパートとか「なにあれ?」って感じなんだけど、そういうとっちらかり加減はこの映画を撮るためには絶対に必要なリアリティだったんだろうなあと思う。

そしてそんなリアルで散文的な空気感だからこそ、ラストのちょっとした冒険がもつストーリーの力に吸い込まれてしまうのだなあ。ドラッグと共にダラダラと過ぎていく日常にある日突然巨大なドラマが持ち込まれて、触発された主人公が主人公としてドラマティックな決断をする……ラストの主人公の意味不明な行動に、視聴者の自分たちがなんだかんだ共感してしまうのは、やっぱり自分たちもつまらない日常をストーリーに仕立てて、ここではないどこかに行きたいと願っているからかもしれないなあ、と思う。

ハリウッド・スキャンダル

 

ハワード・ヒューズといえばもうなにはなくともアビエイターでレオナルド・ディカプリオで、この映画の主演のオールデン・エアエンライクは時々だいぶレオナルド・ディカプリオに似ていて、でもオールデン・エアエンライクの役はハワード・ヒューズではなくて、見ていて何かすごく混乱する!

そしてハワード・ヒューズを演じるのはウォーレン・ベイティで、しかも監督までしてしまうのか。ってか結構なベテランでございますよね。しかも監督・脚本・主演で、しかも内容がこういう地味な人間ドラマってよくもまあ撮ったもんだ。よっぽどハワード・ヒューズって人物が魅力的だったんだろうなあ。

しかし演出的にはこうひとつのカットが短すぎて、だいぶ忙しなく感じてしまった。結構時間のスケールもあるし、情感みたいなのが大事な作品だと思うんだけど、ハワード・ヒューズの混乱した内面を表すかのようにパツパツパツとシーンが切り替わって、それがいいことなのかよくわからん。少なくともあのセックスシーンのクロスカッティングが埋もれちゃってもったいない感じはする。ヒューズに関してはあれだけ引っ張って引っ張って見せているのに、なんであのふたりの恋愛模様をもうちょっとじっくり見せてあげなかったのかしらねえ。

 

ペレ 伝説の誕生

 

ペレ 伝説の誕生(字幕版)

ペレ 伝説の誕生(字幕版)

 

わっはっはそうかージンガかーそこでカポイエラと繋げて自国のアイデンティティとするのか。あまりにもそのロジックがアクロバティックでトンデモで、でも言われると確かに強力で納得せざるをえない。ワールドカップで一度汚されたナショナリズムをもう一度取り返す話で、その中心にジンガという国民の虐げられた歴史を背負うレジェンドペレがいる……というのはもう圧倒的に強すぎてなにも文句のつけようがない。構造が強すぎてちょっとひくくらい。

でもって映画自体が構造一点突破みたいな作品ではあって、例えばかつてのライバルがでてくる辺りのわざとらしさとかはだいぶ微妙。この映画で一番映像的にも冴えているあのOPリフティング競争を、クライマックス前の転換のきっかけにしておいて、それが物語の転換にあまり寄与してないのもうーん意味がわからないなあ。監督の転向って、まあ確かに感動的ではあるけれど、選手たちが説得しなきゃならないことだったんだろうか? 試合中も国旗を見るまでもたつく意味がイマイチよくわからないし……

ま、でも一番ビックリしたのは監督がフルメタル・ジャケットのスノーボール二等兵だったことですね。ってかエド・ウッドとかマグニフィセント・セブンとかにもでてたのかー。いやー、ちゃんと活躍されているのですねえ。

インド・オブ・ザ・デッド

 

タイトルが一番面白い。「Go Goa Gone」って原題もなかなかイケてるけど。

冒頭のトリップ描写はなかなか洒落ていて、おっコレはもしや期待できるのでは……と思ったけどドンドンテンションが下がっていってうーんって感じ。ゾンビものとしての趣向が「インドが舞台」だけではちょっと弱すぎる。というか孤島がインドだっただけで、あとはちょっとメタなギャグをいれたゾンビ映画でしかなくて、最初に見てたスリルパロディのインドダンスの方が全然良い。へんなDJでガンガン踊るシーン入れるくらいだったらミュージカル入れて欲しかった。

ってかなんなのあのニセロシアマフィア。こんなジャケットでフィーチャーされるべきつくりでもないじゃん。キャラが立つってのは当初軽視されていた構造がストーリーと共に自然と表面化して来ちゃうからこそ許されるわけで、これじゃただの悪乗りじゃないのかなあ。メインの三人のドラマだって、もうちょっと描きようがあるように思えてならない。

ま、とりあえずババのクサへの思い入れが大変よくわかった。インド人はほんとガンジャが好きねえ。

ブロークンシティ

 

ブロークンシティ スペシャル・プライス [Blu-ray]

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いやー、この面々集めてこのつくりかーきびしーなー。探偵モノの傑作がバンバン世の中にある中で、このレベルの謎やブン回し加減で映画を撮られても全然食い足りねーよなー。

まあとにかくストーリー展開が凡庸で、なんでそういうレベルの出来事で映画をつくろうとしたのか全然わからん。これで本当に面白いと思って脚本書いたのだろうか。最後の最後の自己犠牲で……みたいな展開も、最初から予防線バリバリ張った挙げ句になんの捻りもなく到達するもので、俺ホントなんか大事なところ見逃してない?

そもそも主人公が騙されたと思い込むロジックがイマイチ不明瞭だし、妻もフツーに事情話せよって感じだし、決定的な証拠の掴み方も「えーそんなレベルでオッケーなの?」って呆れるし、うーんなんだろうなあ、もっと謎と気味の悪さで思いっきりブン回して欲しいのである。もっとマーク・ウォルバーグもブン殴られてヘロヘロになるべきなのである。芸術映画で禁酒を破って投げっぱなしとかマジで意味がわからん。やっぱりNYなのが悪いのか、こういう話はLAでなきゃいかんのか。

唯一心が安まったのは事務所の女の子かなあ。美人過ぎない絶妙なかわいさで、主人公とのやり取りは本当に心が和みました。会話の端々にちゃんと相手への信頼みたいなのが滲んでてとてもよろしい。