ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

里見八犬伝

 

里見八犬伝

里見八犬伝

 

別に意図したワケじゃないけれども深作欣二が続くのだった。

薬師丸ひろ子がヒロインではありますが、まあもともとアイドルにそんな興味がないのもあって、うーんこの時代の美人ってこんな感じなのかーと不思議に思ってしまう。いやまあそんな一時代を築いたヒロインを容赦なく泥だらけにしたりラブシーンさせたりする深作欣二はすげーなーようしゃねーなーとは思うわけですが。ウィキペディアでもちょっと載ってたの見たけど、明らかに過酷だよねこの撮影。

深作欣二はすぐにヤクザ映画のイメージが浮かぶので、こういう作品を撮られるとあれ? となるけどまあ別にどっしり構えた大作エンタメもたくさん撮ってるんだよなあ。デカい無茶な要求がガンガンありそうな作品をよくもまー作ったなーなんて感じになる。

色々ツッコみどころというか、えーそれでいいのーと思うところはストーリー中心に多々あるけれども、これだけの人数をまとめてちゃんとお話に仕上げたのはお疲れ様ですという感じ。真田広之との絡みを中心に、結構乱暴なところもありつつグイグイお話を作っていくこの方法じゃないと、絶対まとまらない話だったよなー。

あとはやっぱり夏木マリの存在感がえらいことになってるよなあ。あのヌードシーンなんて思わず見入ってしまったよ。ってか後ろ姿がもう美しすぎてたまらんですね。

ルーム

 

ルーム スペシャル・プライス [Blu-ray]

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これはー、子供持ってる母親視点だと色々たまらんのだろうなあ。いやー、オレももっとそういう回路を持っていたらなあ。オレのボンクラ回路はルーム脱出サスペンスとしてしか作品を見られなくて、「えー!? 半分で部屋脱出したけどこれ以上の話の展開をどうするの!?」とかビックリしたけどまあ普通に家族の回復の話をしっとりやりますよね。いやはや、私が悪うございました。

冷静に考えていれば良くできているはずで、前半も単なるスリラーというよりはむしろ心理を細やかに描くタイプの演出になっていたんだけどねー。朝の暗い感じの絵作りから、なにも語らずにひとつの部屋にバスタブまで映すだけで状況を説明するあの演出は、うーんやるなあと大変感心させられました。

でもなー、うーん、やっぱりこうもう少し男に心理面を支配されている様子を描いた方が良かった感じはするのだよなあ。「ありがとうございました」って言わされている辺りの描写も超良かったけど、たぶん支配による依存関係からの開放が描かれたらすげえ納得感があったのだと思う。どうも母親側の心の動きが追えぬ。「子供をなぜ自由にしなかったのか」からの自殺未遂とか、いやまあそういうドラマがありえるのはわかるけど、でもなんなかこうイマイチ焦点が合わない感じなんだよなー。

まあ父親のドラマが途中で宙に投げられたように、リアリティ求めるとお話としての決着を放棄した方がそれっぽくなる、みたいな話なのかもしれないけど。こういうまとめ方も雑だけど。雑だな。雑。

星の王子さま

 

星の王子さま (新潮文庫)

星の王子さま (新潮文庫)

 

うーんだめだー。全然合わねー。

とりあえず愛読書に上げておけばなんか雰囲気良いよね的な本であるけれども、オレはダメだなーこの本の内容は。子供のイノセントな視点を通じて大人の世界へ疑問を投げかける、というのは普通の構造だし創作としてあるべき姿とも思うけど、でもそれがここまで留保なしに「子供無罪!」されるとかなり鼻につく。オリンピックのマスコットを子供に決めさせとけば文句言えないでしょ? 的なしゃらくささを感じてしまう。大人の世界はなー、そういう子供の視点では解決できない問題にもきちんと取り組まなきゃならんのだよー、といちいち脳内で反論してしまっていて、えーとなんだろうオレの了見が狭いの? まあ広くはない。

でもね、基本的には似たような構造をとっているはずの『モモ』とかはそういう印象全然なかったんだよねー。あの作品では時間銀行を支配する側ってかなりファンタジーで抽象的で、なおかつそれに操られる大人も被害者で、だから子供視点から疑問を投げかけてはいるものの、しかしそういったシステムの上で生きて行かざるをえないこともきちんと織り込んである感じがすげーした。ので、むしろ子供側の視点から行動するモモは、読者が失ってしまう過去の希望として機能している印象だったのだ。

まー飛行機乗りの世界の見方というのはこういう感じなのかもしれぬそれはそれで趣深いなあとは思いながらも、基本的に好きな本ではないのだった。

ゴルゴ13 九竜の首

 

ゴルゴ13 九竜の首

ゴルゴ13 九竜の首

 

なんだー九龍城出てくるヤツじゃないのかーと思って高倉健のゴルゴ13見終わったら続けて再生が始まったよ! ありがとうHulu! ありがとう千葉真一!

ということで香港を舞台にしたゴルゴ13だけれども、まずはとにかくテンポが良くてグッド。香港という魅力的な舞台の恩恵ももちろんあるのだろうけれども、次から次へと展開するお話とアクションを、普通に楽しく堪能できるのだった。もちろんサニー千葉のアクションもキレキレで、えーそこまでアクションやっちゃうの? というやり過ぎ感も含めて大変魅力的。ジャッキーの香港映画とまでは到底行かないけれども、いやはや普通に楽しいです。前作とは違ってヒロインが可愛いのも良い。

あとはなんといっても九龍城のロケーション。たぶん77年公開の映画だからまだ高層のマンションはそんなに立ってなかったんだろうなーとは思うけど、治外法権でテキトーに建物がバラバラ並んでいるあの空気感はとても良い。二階からはしごで下りてくるシーンとかは事前に本で読んだとおりだったし、医者の家っぽいところでロケしているのもとても良いです。九龍城のシーンは多くなかったけれども、飛行機真下の生活の雰囲気や、あと今ではほとんど見られない大量のボートとか含めて、個人的には大変見所の多い映画でありました。

ゴルゴ13

 

ゴルゴ13

ゴルゴ13

 

Huluで映画を漁っていたらこの映画が目について、「あーそういえば在りし日の九龍城を舞台にした映画」の中にゴルゴ13があったなーと思って再生をはじめたら、香港舞台なのはこの作品ではなくて続編の方だった。ってか続編があるのかこの映画。マジか。どんな風に観られていたのかそれはそれで興味津々。というかイラン映画ってあんまりピンとこないんだけど、70年代辺りのイランと映画の関係はなかなか色んな作品に出て来るのでちょっとずつ興味が出るのだった。オーソン・ウェルズのドキュメンタリーでもかなり重要な立ち位置だったし、確か『アルゴ』もそうだよね。イラン史と付き合わせて報復したい。

前置きが長くなったけれどもまあとにかく健さんである。デューク東郷ではない。最大限に譲歩して顔を黒く塗った健さんである。健さんなんであんなに顔が黒いの? なんで? いやまあわたくし恥ずかしながら『ゴルゴ13』をほぼ読んでいないのですが、むしろゴノレゴのほうが親しみあったりするのですが、しかしこのキャラ作りでいいのか。結構間抜けな出来事でピンチに陥ったり、雑に砂漠を放浪することになったり……本当にいいのか。というか脚本がやばいよなあ。よくこのホンで撮ったわ。

しかし殺されてしまうヒロインの微妙なおばさん感には大変納得させられてしまうのであった。普通もう少し美人を連れてくるのではないか。あの絶妙なおばさん感。たまらん。

あとゴルゴが外国語堪能設定なので、全部日本語に吹き替えるのはしょうがないかもしれないが違和感があったのだがいやまてそれ以前にちょっと吹き替えがなかなか豪華でそれどこれではないぞ。

なんか声の力で無理矢理納得させられてしまった感じもなくはないけれど、まあ基本的にはキツい映画だよなあ。佐藤純彌監督に色々なるほど納得である。

天冥の標 〈1〉 メニー・メニー・シープ (上)

 

天冥の標 ? メニー・メニー・シープ (上)

天冥の標 ? メニー・メニー・シープ (上)

 

あー、これ1の上って括りなのか。全然理解していなかったぜ。

小川一水は短編から単巻で完結するようなものばかり呼んでいて、長いシリーズは全然読んでいないので、うーんこういう風に書くのだなあと思いながら読む。正直いって導入が暢気すぎないかなーという感じはする。舞台が舞台ってのもあって、かなり活劇っぽい導入でわかりやすくエンタメしていておーこういうのも書くのかーという感じになったけど、もうちょいキャラクターが強くても良いよなーとは思った。この感触だともっと破天荒なキャラに活躍してもらいたいのであった。最初のエピソードのつくりなんかからはもっとそういう展開を期待してしまったのであった。アンドロイド娼婦のエピソードも短編だったらもっとキレキレになってたよなーとか思ってしまう。

とはいえ最近『この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた』なんかを読んでいることもあって、まあ普通に世界観だけでめちゃくちゃ面白い。ってかタイムリーすぎるタイミングで、あの本を読んでいなければ全然世界感の理解度が違っただろうなあ。やっぱハーバー・ボッシュ法は偉大なんだなーと感心。

する一方で、社会制度があんまりピンときていないのも事実である。科学技術についてはあーなるほどそうなるよねーと理解できるのだけれども、異世界に向かったときの政治がどのような形をとることに合理性があって、それは現在の我々の社会制度と比較してどんなワンダーをもたらしてくれるのかみたいなのは、この枠組みだと避けて通れないテーマだと思うので楽しみにしながら読み進めたい。

ダークシティ

 

ダークシティ [Blu-ray]

ダークシティ [Blu-ray]

 

検索サイトで「あーHuluにあるのかーアメコミ特集のあと休んでるからまた登録するかー」と思って登録してラインナップずらずら見たけど、うーんやっぱりオレの観たい映画は大体もう観ちゃってるなあ。ずらーっと眺めたけどマイリスが全然埋まらない。まあでもしょーがないかねー最初期から利用してたもんねーと思ってアプリを閉じてAmazonプライムビデオにもどったらあるじゃん『ダークシティ』。あるじゃん。うおー失敗したぜ……

とまあガッカリしながら見始めたこの映画ですが、いやーすごいことやってますねコレ。箱庭もので実は自分の記憶はすげ替えられてて……というネタはまあ結構ありがちで、いやまあさすがに宇宙空間に浮かべちゃうのはスケールが違っていいなーと思うけど、でもそのネタ一発で映画撮ろうなんて思わないわけじゃないですか。自分の出自がテキトーで周囲の人間も偽物で結末だって全く救われないなんて、まあ普通にドラマを作るのめちゃくちゃ難しい。記憶をなくしたノワールでサスペンスをして命の危機でサバイバルしても、いやまあ別に主人公にそんな共感できないしどうでもいいやーってなりがちじゃないですか。その難しいドラマを、夜12時で街がなんとなく眠ったら良いよねーとか、摩天楼が生えたら面白いよねーとか、そういう雰囲気で一点突破してるのがうーんすごい。ラストバトルも、普通能力モノっていろいろ制限をつけたり勝利のロジックをつくったりするものだと思うのだけれども、そういうの全くナシでうおおおおおおおおお! って気合い入れてビジュアルの表現だけでラスボスに勝つところを表現しちゃうあの覚悟ってすごすぎませんか?

創作を狭い尺度で捉えすぎている自分の浅さを反省させられるのだった。