『ジェーンズ 中絶の権利』がめちゃくちゃ面白くて、コレを題材にして映画を撮ったら面白いんじゃ? って過去記事にも書いたんだけど、本当に映画になるとは思わなかったぜ!
とはいえ、ドキュメンタリーの内容はそれだけで結構サスペンスな部分があったんだけれど、この作品はちょっと切り口が工夫してあって面白い。ジェーンズがどうやって成立したかではなくて、主人公が途中からジェーンズに参加して、自ら堕胎手術を行うようになるまでの自立の物語にしてあるのが、なるほど納得の構成という感じ。
いやまーしかし、題材的に当然なのかもしれないけれども、かなり意図的に政治的なつくりにしてあるよなーコレ。大麻とか共和党とへの意思表示が明瞭だなあ、と思ってはいたけれども、ラストであそこまであからさまにヒッピーを持ち上げるとは思わなかったよ。いっそせいせいしちゃいますわ。
それにしても、シガニー・ウィーバーがあのポジションの役柄をやるのはめちゃくちゃ説得力あるよなー。フェミニズムのある種の文化的なアイコンになってるよなー。ま、ストリップをノリノリでやり出したときはもうどういう感情で観れば良いのかわかんなくなっちゃったけどね!
しかしまあ、さすがにこれだけ文化的背景がわかるようになると、それだけで楽しく観られちゃうよなー。堕胎の話で「ノーチョイス」とか言われるともうその言葉の選び方だけで「プロチョイスの話だもんね」とか納得してしまうし……ロー対ウェイドの判決に、わざわざ男性のみの最高裁を当てこすったりねえ。
あとは音楽かな……題材の性質上、引用される音楽の内容とかバックグラウンドを知ってたら、もっと面白く読めるはずだよなぁ。