これはいかにも映画化されそうな題材だよなあ。事実を追いかけていっただけでも結構おもしろい内容になるんじゃないかしら。ラストの決着は歴史的な出来事が突然降ってきた！ みたいな意外なところに落ち着くだろうから、そこをどうやって納得感もって描くかは難しいかもしれないけれども、しかしできない内容じゃないよなあ。あと途中で代表が精神病院に入院したくだりがあるけれども、そこがかなり話をボカしてあってどうもわかんなかった。まあプライベートに関わることだしあえてああいう誤魔化しかたになっているのだろうけれども、そこら辺もきちんと向き合えば、警察の動きも含めて大変サスペンスな内容になりそう……なんて計算をしてしまうくらいには、事実が面白い。いやあんまりエンタメっぽく捉えるのは危険……というのはわかっているんだがしかしまあそうやって見えちゃうよな。
そもそもこの時代のアングラな中絶がどのように行われていたか、という知識もそんなないわけで、マフィアが斡旋してモーテルで堕胎手術が行われているとか想像もしてなかったよ。モグリの医者でももうちょっとちゃんとやっていると思った。そういうギャップを映像としてきちんと提示するだけで、映像化する社会的な意味はあると思うんだどなー。殺人科の人間が全く自分と関係のない世界の出来事として捉えてるあたりとかも含めて、ホント示唆に富んだないようだと思いますハイ。
