『あなたは私のニグロではない』の監督が撮った映画なのかー。正直あのドキュメンタリー良くわかんなかったんだけど、この映画もまたちょっとよーわからんなーという感じ。背景の知識をきちんと備えてからやってこい! という感じなの? いやしかしなあ……なんというか、時間がビュンビュン飛んで出来事を描いてはいるけれども、映画単品としてどうやってお話を追いかければいいのかが全然わからなーい。
例えば後半、組織の中でマルクスとエンゲルスが頭角を現していくパートが描かれていると思うんだけれども、それまでの描写だと一体その組織でふたりがなぜ成功したのかとかがいまいちわかんないよなー。後ろに歴史的なあれやこれやがあっただろうことが、映画の中では示されずに、ただ事実を辿ってふたりが成功していく感じ。するとこれは「共産党宣言」を出すという運命にふたりが導かれてゆく……みたいな作りに見えてしまって、それってプロパガンダの趣が強すぎない? みたいな印象になってしまう。ラストで現在に繋げるところの露骨すぎる編集も含めて、いやーもうちょっと人間そのものに繋げないとダメなんじゃないの? という感じ。
マルクスとエンゲルスの人間性みたいなところも、本当はもうちょっときちんと描いて欲しかったよなー。エンゲルスとか思想的な展開描かなくても、彼の視点を彫り込めば絶対にそれなりに共感できる者になるんじゃないのコレ?
と、余り乗れないなあという中で、海辺の「妹に子供産ませる」シーンだけはヤケに面白かったです。なんなんだあれは。