ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

太陽の蓋

 

『Fukushima 50』を観た後だと、まあ決してよくできた内容ではないと思うけど、それでもマシって思っちゃうな。少なくともヒキで映像を見せようとする意志はある。ドラマの中でなにか画一的な結論を押しつけようとするのではなく、きちんとどちらにも説得力があるようにして観ている側に問いかけるスタイルにしてある。いや、でもこんなのまだ被害者がいて色んな見方のある事実を元にした作品だったら、やって当然だと思うんだけどなー。あそこまで描いといて、東京電力の名前を変えて、フィクションであることをバチバチに強調するのとか、えーまじでー? という感じ。いやまあ名前を実名で出せばそれでOK、というわけではないんだけれども、こういうことにこそ「表現の自由」みたいなお題目をちゃんと掲げるべきだよなーと思った。

映画としては、予算がない中がんばったんだろうなーとは思うが、やっぱり映像の見栄えには出てしまうよなあ。現地職員が、窓から光差すような場所で休んでいる映像には、「え? ホントにそれで大丈夫なの?」とは思った。

あと、中盤の官邸のドラマはすげえ良い感じなんだけれども、後半の着地は上手くいっていないというか、脚本が空中分解して雰囲気で終わってしまっている気がする。記者の回想含みの視点もそんなに生きているようには思えず、各群像のドラマも宙に放り投げられている感じで、もうちょっと構成をなんとかできたんじゃないかなーとは思った。