眠っている子供の話を見終わったと思ったら、今度はベッドで寝たままの女性患者の話であった……いや、いまちょっとフロイトの本を読んでたので、予告編の「ヒステリー」って言葉に反応してしまった。あんまりその件に関しては深掘りされていないというか、かつて「ヒステリー」と呼ばれていた症状の中には精神的じゃない、ウイルスによる肉体的な原因があるものもある、という話なんだろうけれども。
でまあ、そっちの医学的原因の発見の話もあるんだけれども、それってすぐに解決法が生まれるわけじゃなく、代替療法チャレンジなんかもあって、結局の所「難病を抱えた人々がいかに生きるか」という方向に内容がフォーカスしていくのね。でまあ、あきらめ症候群のドキュメンタリーはどうしても症状の謎の方が興味を惹いたのであんまり乗れなかったんだけれども、この作品の患者たちはすごくプライベートなショットがたくさんある分だけ、あーなるほどと共感できるところは正直ある。それはそれでどうなの? とは思うんだけれども、まあ実際そういう映像的な働きがあるよなあ。
そしてその不安の行く先が、インターネットを通じて世界的に政治運動として帰結するのは、成る程確かに希望だと思いつつも、まあどこか危うい感じもしちゃったりするんだよなあ。いやまあこの映画でやられることは良いことだと思うんだけど……靴を置いたパフォーマンスも素晴らしくパワフルだとは思うんだけれども……