ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ヒッチャー

 

ヒッチャー(1986)(字幕版)

ヒッチャー(1986)(字幕版)

  • C・トーマス・ハウエル
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『激突!』を見た時、「これはきっと運転手の姿が見えないからこその恐怖だよなー」みたいなことを思ったのだけれども、こっちは似たような題材をむしろ登場人物にフォーカスしていてやって大変面白い。しかもこれ、かなり早い段階からリアリズムを放棄しているというか、ヒッチハイカーが全然現実の人間とは思えない振る舞いをしていて、そのあたりも独特の空気感を出していて良い。ふつーにかんがえてひとりで警察署を襲っちゃってるのとか絶対おかしいしね。

行動原理も合理的には説明しづらくて、なんつーか、主人公に影響を及ぼすために生まれたある種の溶媒みたいなキャラクターになっているよなー。荒涼とした大地が舞台であることも相まって、物凄く大袈裟に言うと、『2001年宇宙の旅』みたいな抽象性を帯びているストーリーにすら思える。そう考えると、序盤の眠りかけるという導入から、なんかこー怪しく思えてきちゃうわけで。

そういう意味では、序盤の「ナイフを突き立てる」という物凄く肉体に訴えかけるアクションが、かえって奇妙に思えてきちゃったりするよなー。他の場所は都合の良い超常アクションが占めてるのに、あそこだけやけに共感を誘ってる感じ。いや、ああいう共感できるヤバさから入るからこそ、価値がある映画ではあるか……