ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

マネー・ボール

 

映画は見ていたけれども本の方。

映画には「このエピソードって一体何なの?」というのが結構あった気がしていたんだけれども、あーなるほどこういう出来事をリアルで追っていったらああいう見せ方になるよねーというのがよくわかった。映画自体も面白いんだけれども、こういう主人公の出自とか挫折とかがもっと見えてれば、たぶんもっと良かったんだろうなーと思う。ブラッド・ピットがあの立ち位置だと、そういう過去の挫折みたいなニュアンスが薄れちゃうよなーという感じがあったよなー。

でまあマイケル・ルイスの本だからおもしろくないはずがないんだけれども、まあ納得の面白さでございますね。立て付けとしては「フラッシュ・ボーイズ」と似ているところもあるんだけれども、個人的に向こうの方が断然興味深いのは、やはりシステムと公正さの関係を論じているからだろうなあ。この本は「数字の最適化とそれを阻害する慣習システム」の問題であるもんなあ。選手視点ではそれによって喜ぶ人もいるだろうけれども、当然それによって切り捨てられる人もいるわけで。その矛盾というか二重性を体現するのがビリー・ビーンその人なんだろうけれども、まあ周囲にとっちゃたいへんだよなーそりゃ……

それにしても作者のマイケル・ルイスがあとがきでバトルを挑んでいて爆笑した。結構好戦的なところのある人なんですね。まあそれだけ及ぼした影響がでかかったってことでありましょうけど……