基本的なところが押さえられていて大変良かった。あとがきにもあったように、作者はどちらかというと表現の自由擁護の立場で、自分はむしろもうちょいきちんと制限をする必要があるんじゃないかなと思っている方だけれども、こういう議論をしてくれるなら、ちゃんと現実的な着地点が見つけられるんじゃないかなあという感じ。
ミルなんかを引いて、「言論の自由」がどのように擁護されるのかなんかをやっていて大変良いし、ヘイトスピーチやポルノと芸術などの、今日問題になりやすいトピックも具体的に扱っていて面白かった。
個人的に一番面白かったのは著作権との兼ね合いで、自分たちの生きる世界で「著作権」というのは当たり前に存在しているので、そもそもそれがどのような目的で作られたのかを改めて点検されるのはとても良い。作者の死後70年の保護が過剰である、という点をサックリ主張してあるのもうーんいいよね、という感じ。
あとレッシグってそんなに急進的なこといってたんだっけ? 「CODE 2.0」読んだのが随分前で、議論の枠組みを追いかけるので手一杯だったので、本人の主張とかはあまり覚えていない。まあなんにせよ、著作権という概念自体が大きく変わらなきゃならないタイミングではやっぱりあるんだろうなあ。