ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

法のデザイン

 

法のデザイン

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いやーこれめちゃくちゃおもしろいじゃないですか。レッシグの「CODE 2.0」は概念的なことをいってる部分が多かったけれども、それが実際今の社会で用いられているWebサービスとかを例にしてわかりやすく説明されていて、うおーそうかーこれもあの本での枠組みが生かせるのかーという感じでめちゃくちゃ納得感がある。音楽の著作権が西洋音楽の枠組みに囚われているみたいな指摘はホントハッとさせられました。

金融制度や家族制度の話を経て、最後には当然「情報技術が進む中で民主主義社会はいかにあるべきか」みたいな話にも繋がって、そりゃまあそうだよねーという感じになる。法律をgitで管理するみたいなアイディアは当然出るんだけど、まずその前に市民が直接政治に参加できることの方が当然出てきて、すると現在デジタル庁がやってるアレやコレやが「いや利便性よりも先にやるべきことがあるのでは?」という感じになってくる。民主主義社会において情報が公開されていること、検証可能であることの重要性は言うまでもないっつーかむしろ根幹なんだから、普通そこらへんを真っ先に見なきゃいけないところよねえ。

いろいろ具体的な題材と分野が上げられているけれども、基本的に規制は不完全なものであり、その不備が技術の進歩によって浮き上がり、だから社会を積極的にデザインし直さなければならないのだ、という姿勢が大変説得力あり、終始うんうん頷きながら読みました。しかしそうやって考えると、ニコニコ動画とYouTubeを分けたものとかに思いを馳せずにはいられないなあ……

あと、あとがきで「明日の神話」の話が取り上げられたのも良かったなー。多分今ネットで「表現の自由」って声を上げている人のどれだけが、あのパフォーマンスを肯定的に捕らえてるかっていうのはかなーり疑問に思っている。けど、表現っていうのは、既存の枠組みにたいして異議を申し立てることも当然あるし、だから当然バッティングするワケよねー。