ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

A3

 

 

ロジカル……森達也のドキュメンタリーはいつも楽しく見ていて、まあたぶんロジカルな人ではあるだろうなあ、と思ったけれども、その印象が裏書きされてうれしい。この人の映像は「主張を押しつけないようにする」のはちゃんと気を遣っているし、映像はどうしても情緒を拾ってしまうので、出来上がった作品としての印象は全然違うよね。

「A2」で「たぶんここら辺に危機意識があるのだろうな」というのがきっちり明示されていたのも良かった。被害者に配慮する……というのもというのも大事なことだけれども、バッシングの中できちんと問題を明確にして切り分けて論じる、というのは確かに必要なことで、最後に作者なりの「暴走の構図」が描けたところではなるほど大変納得感があるよなあ。統一教会の問題で、サンデー・ジャポンで太田光が協会側を擁護して問題になっていて、個人的にはアレは逆張りが過ぎるというか、逆にカウンターを打とうとして被害に目を向けていなさすぎだなあとは思うんだけれども、問題意識としてそのような立ち位置がありえることは十分に納得できるよね。

そしてまあ江川紹子とか有田芳生だとか、メディアで統一教会の問題に発言を行っているジャーナリストが、このタイミングでどのような立ち位置だったのかがわかるのも大変面白いですね。この本のアングルだと、江川紹子が麻原の精神障害を軽視する立ち位置だったのは結構意外だよなあ。また、解散命令と破防法の違いなんかも大変面白くて、いやホント今読んで良かったなあと思える本でした。