ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

存在しない女たち 男性優位の世界にひそむ見せかけのファクトを暴く

 

データを参照しようにもそもそもデータの収集の仕方がマズかったらマズいよね、というのはごく当たり前のことだと思うんだけど、それを男女差の観点から見た本。統計なんてデータや見せ方を操作してそれっぽくミスリードさせる……というのは比較的簡単だと思うんだけれども、アンコンシャス・バイアスが無意識のうちにそういうことを起こさせてる可能性はまあ避けようがないよね。だからダイバーシティが大事、という本ではあるんだが、まーなんというか、説得力があるなーって感じ。あとがきの網目の話とか、あれ冒頭に持ってきても良かったんじゃないかなー。あれこそダイバーシティがもたらす効能として一番説得できそうな題材だと思う。

ただまあそういういかにも柔らかい説得、なんてしてる場合じゃないよなあこういう統計を見せられると。特に医療と災害避難時のレイプの話はキッツい。震災の時の避難所でのレイプの話をNHKでやっていたけれども、かなり普遍的な話なんだよなあやっぱり。ふだんそういう状況が全く見えないから、想像力も働かない……というのは実際にあるし、それに対して正常バイアスが働いてしまう、みたいなことを大変実感させられる内容だった。「ヒステリック」の語源やフロイトの女性観みたいなのも触れられているけれども、まあここにある世界認識の差は、わきまえていても絶対に解決しないものだよなー、と最近のTwitterを見ていると思いますね。