ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

フリー・ガイ

 

うーん、期待したほど面白くないなあ。こういういわゆるメタ物はもう今まで散々やられているわけで、今更単にゲームに生命が発生して現実と虚構の二面作戦で、という枠組みだけじゃあ乗れないよねえ。じゃあそこにプラスアルファでなんの面白味を乗せるのかって話だとは思うんだけれども、うーむ……

例えば直近、『バービー』はフェミニズム的な構図を援用してメタ構造を美味くエンタメに落とし込んでいたけれども、この話ってそういう「ああこれは現実のこの比喩なのね?」みたいな要素がだいぶ薄いよね。

でまあ、それはそれで一つの決断だとは思うし、そういう見立てを割りきってエンタメに徹するという選択もあるとは思うんだけれども、じゃあその純粋なエンタメ勝負でどこまで面白かった? みたいなのはあるかなあ。ってか、メタ的な構造で何かの比喩を語らない、という選択自体が、武器を封印している感があるし。

っていうか、ゲーム内部の視点で物語を語ったのだから、視聴者は現実よりもゲームの方に強く感情移入するべき構造だと思うんだよなあ。でも、仮想現実の良さみたいなのがあまり強く語れないストーリーの流れになっちゃってるし、挙げ句現実のキャラクターと結ばれることはないなんて、当たり前のオチに落ち着いちゃってるし……せっかく色々はっちゃけられる媒体なのに、もったいないなあと思いました。