ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

【推しの子】

 

うーん、これはラストああいう受け止められ方されてんのもわかるなぁ。どんでん返しでそんなに捏ねくり回す必要なくないか? それまでずーっと作品の支点として機能していたアイからの時を超えたビデオレターって最強カードを切ったことで、やっとハッピーエンドへの道筋が見えてたわけじゃん。それをさらにひっくり返すには、ちょっと説得力が足りないよねえ。

あと、思った以上に演劇の話になっていったのが印象的だった。アイドルというのがそもそもキャラクターを演じるもの、という属性があるのはわかっていたつもりだけれども、しかしそれを直接的に演劇の芝居に繋げていくとは思わなかったなあ。なるほど言われてみればこれ以上ないくらいに納得。

いやまあでも、この作品では皆嘘と本当を上手く切り分けているような気もしていて、そこがちょっと惜しいような感じもするなあ。演劇の芝居の危険性って、その線引きをぐちゃぐちゃにすることで、自我の輪郭が曖昧になるところにあるみたいな理解をしているわけだけれども、それって現代のバズリが求められる社会にとってもめちゃくちゃ問題なわけで。まあココに出ている人たちはみな一流のアイドルだからその切り分けができる……みたいな話なのかもしれないけれども、「本当の人の気持ちを言い当てたら正解」みたいなストーリー展開になっているようにも思えて、それは物語としてはとてもわかりやすいんだけれども、テーマとしてはどうなんだろな? という気も少ししました。