ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

クライシス・オブ・アメリカ

 

うーんだめだなー。

というかさー、こういう「催眠」をテーマに使ったフィクションって時々あるけれど、これみんなホントにマジになって観れるの? だってさー、映像でそれを使ったら基本アンフェアなワケじゃないですか。この映画のラストだって、次のシーンでデンゼル・ワシントンが「はっ!」て気付いて「夢だった……」ってことにすりゃOKなワケでしょ? そういう立て付けの中でハッピーエンドとか有り得ないわけじゃん。

もちろんフィクションというか、主人公の見た夢みたいなレベルで嘘を描く映画はあるわけだけれども、そこではきちんとリアリティによって「現実/非現実」の切り分けがされるワケじゃん? けどこれって、そもそもの現実側にリアリティがない話になっているじゃないですか。例えばこれがヒッチコックだったら、客観描写で叙述トリック的なものは行わないから、その現実が非現実っぽく見えるのが深刻に感じられるわけでしょ?

あるいはそもそも「現実/非現実の切り分けが出来ないことそのものが面白い」というつくりにしなきゃいけないと思うんだけれども、それでいうとこの話はだいぶ情緒が欠けているというか、当たり前のエンタメ構図に落とし込もうとしているよね。「パプリカ」とかまでやれとはいわないけどさー、描こうとしているものに構造的な問題があるように思えてならない。