ネットで色々見てても全然根拠がよくわからんのでこの本を読んでまー驚く。本人がGTAでゲーマーズゲート的なアレに巻き込まれて散々メディアで叩かれてるっぽいのでどうしても一定「信じて良いの?」みたいな留保がついちゃうのは当然だけれども、まーそれだって議論に乗ること自体が反論が考慮するに足るもの、という印象を与えてしまうという例のアレの図式そのままなワケで……実際この作者も「メディアが現実に影響を与えるのは当然」という立ち位置で、そこ自体はもう当然のこととして語っているよねえ。でまあ、そこで「フィクション」という表現は特殊なものではなく、むしろ「メディア」で伝えられるものとして、あるいは「ストーリー」の一形態として書かれているのは、まーやっぱりそうだよねそういうことになるよねと納得感がかなりある。
この本はすでに積み上がった研究の成果から、現在の社会とメディアの状況を広い視点で語るスタイルなんで、個別の実験の細かな細部を明示してはいないので、まあそこら辺に突っ込みたい人はそりゃちょっと肩透かしを食らうだろうなあ、みたいには思う。でもフツーこの肩書きの人がこういう風に描いたら、そうヤバい研究成果は用いられてないだろうなあ、と期待するのが学問に対する信頼ってヤツだよなー、ということは思う。