https://www.netflix.com/title/81354041
いやまあ大変興味深いんだけれども、自分が知りたかった感じとは微妙にずれていて、なんなんだろうこの感じは……
そもそもがまず社会への運動というニュアンスの強いドキュメンタリーであって、逆に言うと韓国ではまだこういう結構当たり前の女性の権利についての訴えかけが行わなければならないのだろうなあ、とは思う。はっきり言ってそのレベルの女性への人権侵害が行われているのは異常だし、それが社会に訴えかけられても何の反応も起こらなかった……というのも信じられない。まー日本社会だって、他の文化から見れば、反応が起こらずに異常と思われるところはたくさんあるのだろうけれどもね……ともあれ、そういう文化の特性というか、そこがそのように捉えられるのだな、という社会のギャップは大変面白かった。
ただそれに関わるのかは分からないけれども、「支配の心理のメカニズム」みたいな所がもっと彫り込まれても良いんじゃない？ と思う。あくまで客観的というか、特に男性視点から見たときに、「なぜそんな脅迫を聞かなければならないのか？」という心理が追体験できる作りになっていないと思う。それはこういったドキュメンタリーにおいて、かなり致命的じゃないかなあ。本人が出てくるのもは難しいかもしれないので再現ドラマでも良いとは思うんだけれども、そこを彫り込まないのがなんでだろう？ というのがすごく疑問だった。むしろ心情としては、それを追求する新聞記者の巻き添え被害の方に共感するような作りになってしまっていて、それはちょっと違うんじゃないかなー、という気もする。
