キノコのドキュメンタリー見られるのか、と思ったら例によって幻覚剤の話がゴリゴリゴリッと出てきて、ニクソンが悪者になって終末医療への応用を激推しするいつものヤツだった。Netflixで何度も見たような印象のあるストーリーだけど、Amazonでもやっぱり似たような内容の話はあるのね。個人的にはもっと世界の面白キノコとかキノコの生態みたいなのとか、あと料理とか文化とか、そういうキノコを多角的に見せてくれるドキュメンタリーを期待していたんだけれども、そういうドラッグカルチャーの側面が強すぎてちょっと期待外れではあった。いやまあ、キノコに惹きつけられる人とそういう精神性との親和性が高いのは、言われてみれば納得ではあるんだが……
ともあれ、前半はかなりマジメに菌類の話をやっていて、基礎的な所から説明があるので、そこら辺は満足である。菌糸がネットワークを作ってお互いに情報交換しているとかは絵にしてみせられるとスケール感に驚くし、あとペニシリンの辺りはなるほど菌同士の生存競争の中で生まれた武器なのね、みたいな納得感が強い。
そういう生物学的な側面は良かったので、あとは文化のほうに切り込んで欲しかったんだけど、あーやっぱりキノコの文化というとドラッグカルチャーになってしまうか……というか、このドキュメンタリー自体が、人類の進化の根底にはマジックマッシュルームがある、みたいな見立てだもんなあ。それはそれで大変興味深い話ではある、あるんだが……