いやあ……これはなかなか難しい問題だなあ。
自分なかなかイスラム教の人との関わりが薄く、女性の社会進出の問題をアフガニスタンのドキュメンタリーとかで見たりはするけれども、現実的なアメリカ社会で信仰がどのように実践されているのか、というのはあまりイメージできなかったので、あーなるほどそこら辺には軋轢起こるよね、と思うなどした。体育の着替えのディテールとか、こういう形で見ないと中々イメージが難しいよなあ。っていうか、あー、やっぱりここでもスケートボードはアメリカ的な文化の象徴として使われるんだなあ……
それにしても、脚本としてあのお見合い含みの顔合わせのシーンでたまらず外に駆け出すというシーン、あれがフツーにドラマの展開として機能するのはまあ細やかにすごい。そしてそれが繰り返されたときに母親がちゃんと迎えに来る展開も大変良い。本当に繊細な作品だなーと。教師へのアプローチの展開、アレ中々できないでしょ。ビックリしたよ。先生かわいそう。
それにしても母子関係の距離感が真似できないなあと思う。男性との横の関係性が問題の話しかなーと思ったら、一番大事なのは縦の話しで、それは文化の継承の話でもあるという……「人形の家」との重ね合わせを鮮やかに表現したラストシーンとかも合わせて、うーんとてもきちんとした映画だよなあ、と思わされました。