ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

Qアノンの正体

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あー、これはめっちゃおもしろい。U-NEXTにわざわざ入り直した甲斐があったわ。マジで今見た方がいい。

Qアノンの登場の裏にはどのような背景があったかということをしっかりと説明していて、8ch→4ch→2chと連なる匿名掲示板の状況や、アノニマス・ゲーマーズゲート・ピザゲート事件みたいな、今までのネットの問題の流れがざらっと掴めるので、そのパートを見るだけでも絶対にした方がいい。アメリカでは言論の自由とヘイトスピーチのような公共性の問題が、ネットでは常に起こっていたのだ……みたいな感じがようやく線になって掴める。これだけでも素晴らしいし、翻って日本じゃ西村博之が賠償金踏み倒してデジタル庁や金融庁とコラボとかやっていて、おいおい公共性はどこ行ったんだお前? みたいな気持ちになる。閑話休題。

でもまあこのドキュメンタリーの面白いところは、そうやって抽象的・公的な視点を担保した上で、ジム・ワトキンス、ロン・ワトキンス、そしてフレドリック・ブレンナンという3人の人間の私的な側面を追いかけながら(ソープランドの話まで!)、Qの誕生、陰謀論の広がり、コロナの発生から合衆国議事堂襲撃事件までの時間を追体験できるような作品になっているということで、いやーこれマジで歴史に残る作品になってると思うよ。本当に価値のあるドキュメンタリーになっている。言論の自由を信奉していたフレドリック・ブレンナンが、ヘイトスピーチに心を痛めて転向し、国外逃亡をするくだりは、インターネットに起こっている問題を象徴するような展開だし、政治的な主張を積極的に行いだしたロン・ワトキンスとの最後のインタビューの緊張感なんかは下手なサスペンス・ミステリよりよっぽど面白い。ジム・ワトキンスが合衆国議事堂襲撃の現場にいるところとかも合わせて、ほんと、よくもまあ取るべき映像をきちんと撮ったなあと感心させられる。マジで見るべし。