核兵器と冷戦をテーマにしたドキュメンタリーなんだけれども、頭とお尻のあたりの感覚が全然違っていて変な感じ。プーチン登場で全く別の話になったよね。もちろん最初からウクライナに繋げるよ、という立て付けで話が進むので、確かに落ち着くべきところに落ち着いた感じではあるのだが……
最初はかなり「歴史的事実」を教科書的になぞる感じで、教科書としては最適だなあという感想。東京大空襲が戦争犯罪であるみたいなニュアンスもバッチリ入れて、どちらかというとアメリカの負の側面をしっかり書いているのよねえ。CIAのクソ工作のクソっぷりなんかもかなりしっかり書いてあって、あーこういう感じで歴史を縦に見るシリーズは良いなーと思った。赤狩りはさておき、ベトナム戦争とか公民権運動とか、そこら辺の内容はサラッと触れるだけってのも、話がわかりやすくて大変グッド。
なのだけれども、後半になると急に反ロシアのキャンペーンになるのよなあ。冷戦からはちょっと距離が遠いし、核兵器の辺りのニュアンスはかなり薄いし、うーん、なんだかなあ、という感じはある。というか中国がほとんど触れられていないところとか、今「冷戦」の冠をつけたドキュメンタリーの展開としては、ちょっと食い足りないよなあ。
あと、前半はかなり強調されていたアメリカという国の負の側面も、もうちょっと触れて欲しかったけど、難しかったよなあ。途中急に「国連への大量破壊兵器虚偽報告」が差し挟まって、まー確かにそこら辺で刺すよなーとは思ったけど、ロシアからすりゃあそれ以上の見え方がしているってことなのかしらねえ。
あとまあ、核兵器において日本の立ち位置って本当に大事なんだよな、ということを改めて思わされました。岸田総理がガンガン出てくるの大変納得。