ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

現代ロシアの軍事戦略

 

まあ一応このタイミングだし色々新書も当たってみたくはなるよね。

内容的にはちょっと難しいというか、もうちょい基礎的な知識があった方が良かったんだろうなあとは思うんだけれども、それでも十分面白い。2014のウクライナ紛争の辺りを受けての内容で、今見ると大変納得感のある答え合わせになっているのが良い。まあ今読むべき本だよなーという感じ。

冷戦後のロシアの経済規模はそんなに大きくなく、プーチンはそんな中でNATO加盟国に対抗してきたんだとか、力が非対称だからこそのやり方をとってきたんだとか、色々なかった視点が取り入れられて良かった。

一方で、こないだのウクライナのドキュメンタリーなんかで取り上げられていたカラー革命に対する認識なんかも、大変納得のいく解釈が行われていて良かった。そうだよなー文化的な鬩ぎ合いに国家が介入するなんて、まあ当然普通に行われているというか、それが嫌だったら鎖国するしかない世の中だよなあ。でも実際VPNソフトの頒布も禁止されているとか、そりゃまあ報道機関も尻込みしちゃいますよねえ。

あと「ハイブリッド戦争」が大々的に掲げられているわけだけども、今の情勢を見る限り、そりゃまあやっぱりなかなかむつかしいよねえと思う。っていうかフェイクニュースに対して、オープンで検証可能であることとか、ある程度効果を発揮しているよねえ。そういう意味で、メディアに出てきたコメディアンが大統領であったというのは、うーん、なかなか運命的なことだよなぁ……

そしてまた、これからの展開を見るに、結局は実際的な軍事力が重要、というのもその通りなんだろうなあ……暗澹とした気分になるぜ。