ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ディナー・イン・アメリカ

 

あらまあ……これ嫌いじゃないですね。

ストーリー上はかなり無理があるというか、奇跡的な出来事が中心にあるわけだけれども、その出来事があったからこそこのふたりが不思議なカップルとして成立した、というところになんか謎の説得力がある。特にモテてそうな男の側が、純粋に詞の力に惚れ込んでいるところがすごくいいよなあ。あの視点があるだけで、かなり変わり者のヒロインが一気に救われるし、なんならもうめちゃくちゃかわいく見えちゃったりするもんなあ。

しかしまあ、そのカップルが社会に上手く馴染めないのが映画に折り込んであって、常に周囲との軋轢を抱えているところまで、説得力があるのがホントに面白い。というかむしろ、軋轢があるからこそ、ふたりの愛が輝いて見えるようになってるんだよなー。そしてそれが、パンクという音楽ジャンルとめちゃくちゃ上手く結びついているわけで。いやー、すごいなあ。

あとそれにしても、こんなにめんどくせー食卓の様子を描いている映画もなかなかないんじゃないだろうか。ごく普通の家庭の、彼らにとってはごく当たり前の食事の風景。こうやって映画の形でお出しされると本当に地獄なんだけれども、しかし当人たちにとってはこれが当たり前の日常なんだな――なんて思うと、自分の家族のこととか思い出してしまって、本当にゲンナリさせられますね……