まあだだよ

まあだだよ [Blu-ray]

ほげー。これで２時間撮るかー。いやーすげーなー。

このジャケットにもあるけれども夫婦の映画、というまとめ方もできるはずの話なんだよね。ビジュアルの説得力としては狭い日本家屋にふたりで仲睦まじく暮らす夫婦が本当に美しく愛おしい感じ。子供がいないふたりが共に猫をなくしてしまう下りとかは、なんというか圧倒的に画面への吸引力がある。こんな単純な話にこんなにも吸い付けられてしまうんだなー、ほんとなんの小細工もないド直球だなー、と思わされる。そこまで連れてくるだけの先生の説得力もズルい。

でも、この話って半分以上は先生の周りの取り巻きの話だよなー。あのふたりの余生を見守ることで幸せを得る生徒＝子供の話。しょーじき宴会のどんちゃん騒ぎとか全然面白いとは思えないんだけれども、まあそれはそれでこの映画には必要なシーンだよなあアレ。紋切り型の悪人を悪びれもせずに置きながら、善く生きる人間たちを愛おしくイノセントに描くその視線は、うーん、やっぱ行くところまで行ってるよなーという感じ。ある意味『風立ちぬ』を観た時と似た感覚かもしれない。

あとは、あー、香川京子って『赤ひげ』の狂女役なのか……あの役も素晴らしかったけど、今回はホントしっくりとハマりすぎていて笑っちゃうくらい。いい役者だなあ。