なんか動機がわからんな。ハッカーの行動原理として、もう少し社会的な同機というか、ある種の哲学を求めてしまうところが正直ある。あのテストの回答を盗み出すところなんか、明らかにアーロン・シュワルツの論文を盗むヤツを思い出すけれども、しかしこの映画の主人公には全然お題目が見えないのがナンダカナーという感じ。目立ちたいという動機もわからんでもないけれども、さすがにリスクに見合わなすぎじゃないですかね?
あと、さすがに大ネタのトリックは穴が大きすぎませんかね? シナリオ上の演出とはわかっていても、精神科医の鑑定もなく本人に推測を突きつける捜査官は、正直ちょっとリアリティなさ過ぎだと思いました。「ファイト・クラブ」のポスターまで貼ってあったのは笑っちゃったけど。いくらミスリードと言えども、あんなあからさまにやらんでもね。
あとは仮想空間でのやり取りを、地下鉄の描写でやっちゃったのが、思いの他ちゃんと機能していて感心した。ああいう仮想空間をどう表現するかは色々課題だろうけれども、技術的な比喩を含めて、なかなか上手く演出できていたんじゃないかなーと思いました。