ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

さらば、わが愛/覇王別姫

 

なんだこれ。傑作すぎるだろ。

まず同性愛を描いた作品として演出がキレキレなのがあって、随所に男根のメタファがズガンと描かれてて参っちゃうよね。煙管を口に突っ込まれるところで血が出たり、スッポンの首を斬って微笑んだりと、いやこれさすがにやり過ぎだろ!? と思っちゃいそうなシーンも、その直球の演出にただただ打ちのめされるしかない感じ。

ただすごいのは同性愛だけじゃなくて、ふたりとその周囲を巡る人間関係のドラマになっているとこだよなあ。師匠の呼び出しのやり取りはもう面白すぎて仰け反った。菊仙と蝶衣の関係の変化だけでも、ラストの破局含めて、ほんと最高に良くできてるよなあ。

またその人間関係が、中国の激動の歴史と大きく相互に関連して動いているのがめちゃくちゃ良くできている。こういうのはちゃんと歴史が頭に入っていてよかったなーって感じ。日本軍に占領された時、敵の大将を「芸術を理解する者」として描いていたところも印象深いよなあ。それと対比して文革の体制が芸術を弾圧する側になっていたのは、当事者の強い意思を感じさせられる。

で、それがさらに京劇をテーマとしたメタ構造に収まってるわけでしょ? あのラストなワケでしょ? いやー、なんだよこの神がかった脚本は……今まで見ていなかったことを激しく後悔しましたよ。すごい。