ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

CLIMAX クライマックス

 

あ、これ『エンター・ザ・ボイド』の監督か。

いやー、すげーなー。この情報量を細切れにガンガン積み重ねて不安感を煽りつつ、少しずつ閉塞したコミュニティがガンガン狂っていく様をまずまず説得力を持って描けてるよなー。全体が長回しで連続性のある短時間で描かれるのも、空間の連続性を観客に印象づけるのも、めちゃくちゃ効果を生んでるし……終始目の離せない時間でしたよ。

ダンサーという、人間の欲望を積極的に利用する人間が演じるのもめちゃくちゃ良くて、参っちゃうね。自らの欲望を肉体で表現する職業だから、LSD与えられて解放されたらまあこうなってもしょうがないよね、という納得感がある。あとまあ、この場が子どものために設けられた状況である、というのも異常さを引き立てるのにだいぶ役立ってるよねえ。ってか、子どもに関しては大変厳しい内容の映画だよなあ。

あ、あと、構成もスゲーですね。いきなりド頭にこの作品でもっとも象徴的な悲劇の1つを、しかもザ・ドラッグムービーという感じで表現するのにも感心したけれども、あのフェイクドキュメンタリー調のインタビューシーンがめちゃくちゃ効果を発揮している。サックリ登場人物紹介として機能すると同時、この作品においてもっとも重要な性に対するスタンスを、ダンサーの哲学と結びつけて語ってるんだなー。

いやはや、おもしろかった。