あーなるほど。ダリと共同で映画撮ったりした人なのね。
コメディ、という括りが書いてあって確かにそれはわかるんだけれども、フランス映画のコメディはなんかこう懐がふけーな……そもそも皮肉たっぷりというか、ユーモア溢れる内容なのはわかるんだが、しかしこんなユルユルで良いのだろうか。だって延々飯が食えなかったり死ぬのが夢だったりするだけでしょ? 天丼、といえばまあ確かにそうなんだろうけれども、しかしそれが延々しかも脈絡もなく起こるとめちゃくちゃ不安になってくるよね。
その不安は死が夢の世界で繰り返されるところから生まれるのだろうけれども、こういう体験はなかなかないのでそこがなかなかおもしろくもある。真面目なストーリーだったら「ふざけんな!」ってなりそうなところだけれども、そもそもが不真面目というか、なにがリアルでなにがウソでも全然構わないフォーマットなので、怒るとか怒らないとかそういう内容じゃないもんなー。っていうか、夢の世界のどうでも良さに引っ張られて、現実の出来事までどうでもよくなってくる、みたいなのが実際のところだろうか。そんな視聴体験で、田園の中を歩く映像の浮遊感とか、確かに面白いなあとは思いました。