ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ミッシング

 

ミッシング (字幕版)

ミッシング (字幕版)

  • ジャック・レモン
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あー、これ実在の話を下敷きにしてあんのか。チリでのクーデターのアメリカ介入ってあんまり映画の題材に取られていない気がするんだけれども、そこをこんなにガッシリ映画の形にされると、うおー映画だなーという感じがする。こういうスケールで戦車とかガンガン出しながら、フィクションの形で空気を伝えるの、大事だよなあ……

何より印象深いのがニクソンで、最初は掛けられた肖像画で「あ、ニクソンの時代か」って何とか気づくくらいのものだったのが、だんだんニクソンの絵が大きくなって、ついにはニクソンに詰められる構図になるのは笑ってしまう。どんだけ嫌われてんだニクソン。南米の外交の象徴みたいになっちゃってるよねー。

息子の失踪を気に、彼の妻を通じて息子と和解をしていく、という大枠のストーリーは大変わかりやすく、それをアメリカ外交のヤバさをテコに書くプロットの意図はわかりやすくて大変良いですね。こういうストレートな題材は、変に斜に構えずストレートにドン! と出した方が心にくるよなあ。こういう抽象的な題材を、ここまで人間のドラマに引きつけて描くのって、なかなか見ない表現なので、大変興味深かった。まあこういうやり方って結構危うくもあるけどね……

コスタ=ガヴラス監督の映画って今まで見たことなかったので、きちんと抑えておかなければならないなーと思いました。