「奇妙な果実」は確かにその由来を聞いたことがあるけれども、いやー、この年代でもこういう動きがあったのね。公民権運動で音楽が大変重要な働きをしていたことは良く知っていたけど、こういう弾圧があったって状況を見せられると、めちゃくちゃ納得感があるよなあ。
そしてもうひとつ、黒人とドラッグの関係もそう。この映画ではドラッグの使用がどちらかというと同情的に取り上げられているけれども、なんかこういう風に描かれると、ニクソンが公民権運動を抑える流れでドラッグを強く取り締まった……というのが、単なる陰謀論ではなくて、歴史的な流れを踏まえたものなのだろうなあ、とは思うよね。
ただ、大麻は音楽との親和性で良く取り上げられるけれども、ヘロインってあんまり印象がないよなあ。44で亡くなってるのを、酒で肝臓がやられたみたいな描写でやっているけれども、ヘロインってどのくらい影響があったのだろうか。
こういう映画ってなかなか歌詞の内容が頭に入ってこなかったりするけれども、この映画は印象に残る歌詞が多かったかなあ。途中で愚行権みたいな格好で、DVを受ける自分を正当化する歌があったけれども、あれをあんなに情熱的に歌われると、何とも言いようのない気持ちになってしまうよねえ。