ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

それでもドキュメンタリーは嘘をつく

 

それでもドキュメンタリーは嘘をつく (角川文庫)

それでもドキュメンタリーは嘘をつく (角川文庫)

  • 作者:森 達也
  • 発売日: 2008/09/21
  • メディア: 文庫
 

最近ネットでパワハラ問題があったときに、それを擁護する文言が出てたよねー。森監督は「FAKE」しか見てないので抑えるべきところ抑えとかんとなーとは思うんだけれども、それはともかく本の名前自体は一応知っていた。最近フィクションとノンフィクションについて考えることも多かったので、いつか読まなければなーとは思っていた。

本はまあ面白い。基本的に書いてあることは、ドキュメンタリーとかフィクションとかを見て個人的に考えていることと繋がっていて、あーそうだよねーそもそも作品をつくることってこういう作用から逃れ得ないよねーという納得感がめちゃくちゃ強い。でもまあそれってただの感覚的なものでしかなくて、それらの印象が歴史的にどのような経緯を辿ってどうやって認識されている、みたいな文脈がきちんと提示されてオーなるほどーと頭の中が整理された感じはある。

最近めちゃくちゃ面白かった「監視資本主義」みたいなドキュメンタリーも、でも作品としては稚拙みたいなのをネットで見て、まあ確かにそうだよなーと納得していたのだけれども、そこら辺が綺麗に言語化されただけでもありがたい。「ニーナ・シモン 魂の歌」みたいなドキュメンタリーのほうが全然面白かったもんなー。もっとも森監督がドキュメンタリーに求めるものってもっと別の魅力なのかもしれないけれども。