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死ぬほどどうでも良いわ…

パンの文化史

 

パンの文化史 (講談社学術文庫)

パンの文化史 (講談社学術文庫)

  • 作者:舟田 詠子
  • 発売日: 2013/12/11
  • メディア: 文庫
 

『焼きたて!!ジャぱん』が面白かったので……って我ながら単純である。

文化史、とタイトルにあるように、パンを取り巻く文化の歴史が様々な観点から述べられていくのだけれども、いやあ文化史面白いですね。めちゃくちゃ面白い。わりと序盤の方で、遊牧民がパンを焼くために持ち運ぶ鍋の話が出るんですけど、なぜこの形でなければならないのかというのが文化的背景からものすごーく納得のいく形で説明してあって、最高に興奮しました。単においしいおいしくないじゃなくて、どうしてそのような形になったかというのも、やっぱり食の情報としては重要よね。

火を使って窯をおこしてパンを焼く、というのが当たり前だけどめっちゃ大変だというのも改めて意識させられました。そうだよなー現代の火の管理がイージーすぎるんだよなあ。まとめて焼いて年に2回とか、自分の知ってるパンの概念と全く違ってビックリしますねえ。あとなぜパンの焼き方は姑に習うのか、の謎解きの鮮やかなことったら! 言われてみりゃ納得なんだけど、ね。

最終的にパンを分かち合うことの意味、みたいな壮大なスケールの話になっちゃったけど、まあしかしそれもわからんでもないよなー。ドミニオンで「パン屋」ってカードがあった意味がわかんなかったんだけど、あんなにキリスト教圏の人々の文化を根幹から支えていたならまあ納得せざるを得ないです。いやはや、興味深い本でした。