https://www.netflix.com/title/80060407
ということで最近ドキュメンタリーとかフィクションと現実の関わりについて色々考えているのだけれども、このタイミングでどんな気まぐれかこのシリーズを見始めた自分の見識は大変ナイス。というのも第2次世界大戦で戦意高揚のドキュメンタリー映画を撮った名監督たちは、それまでエンタメ映画を撮っていた面々なワケで。彼らが現実に直接的に影響力を行使するために意識的にドキュメンタリー映画に関与していく様は大変興味深いわけですね。そもそもドキュメンタリーというジャンル自体が変人の撮るものとされていたみたいな解説も、あーやっぱりそうなんだタイムリー! という感じ。
っていうか作中で監督が明確に、ナチスに対抗して「プロパガンダ」を行うことを明示しているワケで、ある意味で彼らは彼らの用いることのできる武器を使って国家に奉仕したって図式だよなー。そして後ほどのインタビューで彼らはそれを恥じているようには見えなかったりするわけで。これを日本の戦意高揚の映画と並べると、まあ戦勝国との違いだよなーって感じはだいぶしますね。
しかし、フランク・キャプラが「意志の勝利」を見てショックを受けて、しかしそれを逆用して「我々はなぜ戦うのか」をつくったっていうのは本当に示唆的というか、ドキュメンタリーを作ることの危うさを射貫いていて最高に面白いなあ。