珍しくアニメをリアルタイムで完走。
「原点回帰」を掲げたらしいがしかしなー、アップデートせずにアニメへの最適化をせずにそのまま原点に回帰してしまったような感じだなあ。
前半の単話でもあったのだけれども、泣かせに行くエピソードの滑っている感がかなりすごいんだよなー。これはやっぱりシナリオの問題だよなー。30分の番組で泣かせるようなつくりにできていない感じがすごくする。もしガチでやるなら、映像作品なんだし、もっと散文的に情緒にふって雰囲気出してくべきだと思うんだけれども、基本的にノベルゲーム的な無個性主人公視点をベースに、みたいな脚本になっているような、気が、する。後半の主人公の努力をゲームに据えちゃうのも、うーん情緒がないなあという感じ。
しかし最後に奇跡が起こらなかった立て付けはだいぶしんどかったなー。あれって絶対「フィクションによって現実が救われる話」の立て付けのはずであって、現実では脳の手術で別人格に分断されてしまったひなが、フィクション内の編集(逆撮り)によって「手術前→手術後→手術前」というふうに繋がって、同一人物であることが担保されるべきつくりだと思うんだよなー。フィクション内で奇跡を起こさず、あとでオーディオコメンタリーとして手術前のひなが救済をもたらすこの構成は、「フィクションが奇跡を起こすための手段である」という手法をメタ視点では否定してしまっていて、あー、つまりは作り手自身も奇跡を起こすことが信じ切れなくなっているのだなー、という感じが半端ない。ゆえにしんどい。