あ! 知ってる! これ、『プラダを着た悪魔』で見たヤツだ!!
いやまあ、全く同じではないのだろうけど、でもまああの映画の原作者はヴォーグで働いているっぽいし、アナ・ウィンターがあの鬼編集長のキャラ造形に影響されてるって考えるべきだよなー。このドキュメンタリーでも、特に序盤のほうでアナがちょっとエキセントリックな仕事の鬼として描かれていてギョッとする。
でも後半、グレイスとの関係性を描いていくウチに、んーなんだかんだひとつの雑誌を創りあげていく上で最適の方法を選んでいるのがアナで、周囲もそれを理解できるからこそ残ってるんだなーみたいなのがわかって納得する。いやまあ基本的にドキュメンタリーは綺麗事として見せていて、本当は組織の中でドロドロしたモノもわんさか渦巻いているのだろうけど。
でもまあ、集団でものを創れば基本的に衝突は避けられないし、そこで「ヴォーグはどうあるべきか」というコンセプトを一番正しく示すことのできる編集長と、その周囲のスタッフには、軋轢が生じて当然、ではあるのだよなあ。ましてあれだけ世界的に影響力のある雑誌なのだから……
ただ、序盤の「ファッションは人を恐れさせる」みたいなところが最高に面白かったので、あんまり普段気にかけない私としては、もうちょっと「ファッションとは何か」みたいなところを知りたかったという気持ちはあるのだった。