ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

王様達のヴァイキング

王様達のヴァイキング(1) (ビッグコミックス)
 

ううううううーん! 正直ちょっと食い足りない。

時事ネタを速攻で取り込んでエンタメに落とし込んでるのは素直にすげーなーと思うんだけれども、しかし、俺が望んでいたハッカーの描き方ではないんだよなー。

実はこのタイトルって大変良いところを突いているはずで、ヴァイキングって「既存の法律の枠組みに囚われない存在」が「社会にインパクトを与えて世の中を変えていける」ことの象徴のはずなんだよねー。パイレーツラジオとかまさにそうだし、あと純粋にプログラム系の技術でも、Youtubeは最初違法動画の温床になっちゃっていたわけでしょ?

で、そんな「脱法的存在」が社会にインパクトを与えるとき、問われるのは「法律が追いつかない技術において公正さとはどのように担保されるべきか」という社会のあるべきデザインへの思索で、ハッカーってのは多分そこら辺への興味がないとダメなんだと思うんだよなー。アーロン・シュウォルツとかはまさにそういう存在だったわけだけれども。

だからまあ、コレだけの技術を持った人間が集まって未来の社会のデザインを考えるべき話のはずなのに、そこで安易に監視社会を一手に握ろうとする悪い総理大臣を登場させて、しかも感情的なドラマを家族のストーリーに落とし込んでしまったのは、エンタメにするための方便であるのは分かっていても心底残念。あと主人公がなんか最後まで空っぽすぎて機能しているように思えなかったのもなー、ツラいよなー。地元とか仲間みたいなヤンキー的な思考で回そうとしてたのかなーとも思わなくもないし、それは日本的でありえるのかも知れないとも思うけど、うーん……もう一声!