ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

バンクシーを盗んだ男

 

バンクシーを盗んだ男 [DVD]

バンクシーを盗んだ男 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2019/02/06
  • メディア: DVD
 

バンクシー周りの作品はそこそこ掘っているのだけれども、これはパレスチナに焦点を当てている。

さすがにコレだけ色々漁るとストリートアートの文脈みたいなのもだいぶ見えてくる。『セービング・バンクシー』なんかでも結構触れられていたテーマだけれども、これはパレスチナを舞台にしているだけあって、資本主義とアートの関係みたいなのがより強烈に示される感じですね。

パレスチナ側の人間がどう思っているか、という価値観が強烈に示されているのは大変面白くて、バンクシーがパレスチナにストリートアートを描いたことが、現地住民からしてみれば西洋的価値観の押しつけであり、一過性のブームにしか過ぎない、みたいな観点があったことには大変ハッとさせられますね。グローバルなメディア戦争の道具として利用されただけで、ある意味文化の植民地支配にしか過ぎないのでは? みたいなことすら考えさせられる。地元のライターの視点が取り上げられているのは、大変意味があることだなあと思いました。しかしだからこそバンクシーはホテルをつくったのだなあ、というのにも大納得。

あとまあ『ザ・スクエア』を観た直後だとか最近のTwitterにしんどさを感じているからとか色々あるんですけれども、ストリートアートみたいな現状の法律から逸脱した表現が社会の上で機能する役割についても考えさせられますね。パイレーツラジオとか思い出しますはい。