ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ザ・スクエア 思いやりの聖域

 

ザ・スクエア 思いやりの聖域 [Blu-ray]

ザ・スクエア 思いやりの聖域 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: Happinet
  • 発売日: 2018/11/02
  • メディア: Blu-ray
 

ちょーおもしれー。なにこれ。なにこの吸引力。なんなのまじで。明らかに今見るべき映画って感じで、フィクションでこんなにも現実に直で問題提起できるなんて思っておらず、いやーすげーなーとひたすら感服した。アートと金の問題とか、表現の自由の問題を、こんなにスマートに激烈に描くことができるんだなあ。決して派手なことは起こっていないのに、ひとつひとつのエピソードが視聴者に「あなたならどうする」を迫ってきてヤバい。なんでこんなに意識を引きつけられるのか。俺がちょっと共感しすぎているのかしら。

映画はしんどいほどに直接的に倫理に対する問いかけを投げていて、主人公は明確に過ちを繰り返すのだけれども、それは人間として避け得ない過ちであり、そして彼はその過ちを認めようと必死に藻掻く。だから物語としては彼の行為が報われて欲しいのだけれども、物語はやはり明確な善悪を与えてはくれない。映画を見終わった後自分たちはポーンと宙に放り投げられる。悪意が拡散して子供の家族は傷ついたままで物乞いは小銭をねだり続ける世界の中で、自分の小さな良心を慰めたことで世界が許してくれるなんて安易な結末はなく、しかしそれでも私たちは小さな良心に従って、過ちを繰り返しながら、生きていかなければならない、そんなかんじ。