ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

バンクシー~アート・テロリスト~

 

バンクシー~アート・テロリスト~ (光文社新書)

バンクシー~アート・テロリスト~ (光文社新書)

  • 作者:毛利 嘉孝
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2019/12/27
  • メディア: Kindle版
 

なんかいつもバンクシー絡みの本を読むと「これが入門として良い」って言い続けている感じがするけれど、うーん、この本が一番良いかもしれない……最近のホットなトピックから始まって、今まで見てきた色んなエピソードをイイ感じに摘みつつ、アートとグラフィティとマーケットの関係を解説するという……今まで自分が参照される作品を延々見てきたからかもしれないけれどもまあ大変わかりやすく、とうとう総決算がやってきたなーという感じの話ですはい。

なんでまあ、基本的な感想って今まで触れてきた作品と早退して変わらないのだけれども、ひとつ大きく違ったのは音楽、パンクとの関わりが触れられていたところかなー。グラフィティっていうとどうしてもヒップホップ文化ってワイルドスタイルなイメージになってしまうので、バンクシーが生まれ育ったブリストルの状況との差が指摘されているのは、言われてみれば当然なんだけれどもなるほどなーと思った。

あとはやっぱり、政治と芸術の関係が成熟してるよなーって感じ。現在の私有財産や公的空間に関わる常識ってたかだか数百年のもので、落書きの歴史の方がずーっと長いという指摘にはなるほど納得するしかない。っていうか日本で芸術、ってつけちゃうとなんかまたちょっと高尚な感じになっちゃうけど、広く一般に表現に関わる人間が、政治的な主張をしなさすぎなんだろうなー。