うおー……これが日本で描かれるハッカーか。ハッカーマンガを見たいなあと思って読み始めたんだけれども、テクニカルなところは引用してあっても、その精神性みたいなところには全く興味がない感じで、うーん日本でエンタメにするとこういう格好になっちゃうのかなーという失望が大きい。『王様達のヴァイキング』は食い足りないところもあったけれども、あっちの方が全然テーマに誠実だったよなー。っていうかGPSをハックすることで東京を救うために世界全体が大混乱に陥って被害も膨大なはずで、あれ彼らの方がよっぽどテロリストだよなーと思ったんだけれどもそういうところには突っ込まないのが吉なのだろーか。
まあ、そこら辺の隅突きはともかくとして、まあ根本的にキャラクターの感情移入に失敗している作品ではあるよねー。「等身大のキャラクターが」「巨大な事件と関わりを持つ」という構造を成立させるために、ハッキングというのは確かに合理的なテーマだと思うのだけれども、「等身大のキャラクター」への感情移入が全くできなくてねえ。まあだまし合いだからカメラをつけて内面を描きづらいという側面があるのはわかるけれども、うーんそうだなあ、例えばワトソン君を用意するだけで全然没入感が違ったんじゃないの？ とは思う。
