あら素敵。メタというか作中劇というか、虚実を織り交ぜた作品でありますが、編集の妙もあって映像作品としてすごく見せる内容になっていて良いです。冷静になってみるとそんなに劇的なプロットでもないかなーとは思うけど、作品内に視点が取り込まれるだけでかなり奇妙に見入ってしまう感じ。
一方物語の物語でもあるわけで、教師と教え子がぶつけ合う物語観はとてもエキサイティング。現在進行形で紡がれることもあって、現実がどれだけ物語に影響を受けていくか、あるいはむしろ現実そのものが物語であるかという思索が、虚構と現実をフラフラさまよい歩きながら進んでいくのが大変面白い。ここら辺は巧みだよなあ。
そこら辺も鑑みるに後半の展開もなかなか良くて、辺にメタで虚実を曖昧にするのではなく、視点者に舞台を移してむしろ確実性を増した展開が襲ってくるのはとても新鮮。それまでわりとどうでもよかったドラマが新たな光を浴びて伏線じみて見えてくるのはとても良かった。ラストショットもメチャクチャ印象に残る映像で、うーん本当に視点者にこだわる作品だなあ、と好印象でございました。