ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

シナリオのためのファンタジー事典 知っておきたい歴史・文化・お約束121

 

評判良かったので読んでみたけどまあ納得。

いわゆるなろうが流行ってからはそこまでずっぽりってワケじゃないけど、いわゆる「ファンタジー」についてはつきあいも長いし、世界史についてもそこそこ本は読んできた。のでまあ、こういう本を読んでも感心することはそんなに多くない。この本もそこまで期待してなかったんだけど、いやー、良いですね。

記述のベースがヨーロッパの史実なのは当然なんだけれども、ファンタジーの創作に対して役に立ちそうなことが、トピック毎にツボをついた感じで書いてあるのがものすごく良い。現実にこういう出来事があったなら、ファンタジーでこういう風にアレンジできそうだな……という想像が、うまーく広がって行くような感じの豆知識が結構ある。単に知識量の問題ではなくて、それを上手い語り口で教えて貰っている感じなんだよなー。

一番印象に残ったのは「道」の話かなあ。日本じゃ水田の水量コントロールのためにあぜ道ができるのは必然だけれども、ヨーロッパの畑ではできるだけ「道」そのものをなくそうという意思が生まれる、みたいな話は全然発想になかったのでビックリした。ヨーロッパの森林って、そんなに回復力があるようなイメージはなかったんだけれども、食料生産やら疫病やら社会制度の関係もあって、人口増加が抑制されていたんだろうなーって感じがすごくする。世界の見え方にそういう視点が入ると、描写もちょっとずつ違ってくるんだろうなー。