ラリイ・ニーヴンは初めて読んだのではなかろうか。
種明かしで潮汐力! とかマイクロブラックホール! とか言われて「うわー、クラシック……」という感じ。オレでもそこら辺の知識はちらっと聞いているからなあ。それだけ普遍性があって後世に影響を及ぼすアイディアを発表した、ということなんだろうなあ。偉大さを噛みしめる。
まあしかし、やはりクラシックになるからにはただのアイディアだけではなくて、それをお膳立てするまでのストーリーテリングもなかなか読ませる感じで良いですよねえ。っていうか、盛り上げ方が良い感じなので、オチで「えっ、今更!?」と想ってしまったようなところはある。っていうか、重力やら未来兵器やらがしっちゃかめっちゃかになっちゃって、想像力で状況を補わなきゃならないパートとか、あの混乱した状況をよくもまあ書くもんだなあ、と思いましたよ。
そしてまあ、表題作の『無情の月』はやっぱりグンと浸みますねえ。っていうか、こういう終末もの、最近の温暖化でなんとなく他人事に思えなくなっちまったからなー。『ドント・ルック・アップ』のラストも良かったけど、やっぱり普遍性がある話でありますね。
あとSFだけじゃなく、ファンタジーも書いてるのね。交易でユニコーンてに入れる話とか、あれ、ジャイアンツ・コーズウェイなのかしら? そんな神話とかあったっけ?