ヒューマン・ライツ・ウォッチの人々の話なんだけれども、ドキュメンタリーとしてはちょっと捉え所がない感じで、ダラダラ見てしまうところはあったかなあ。
まーそもそも人権ってのがヨーロッパ的な価値観を元に生まれてきたもので、だからリビアとかシリアとかで実際に命を落としまくっている人々のところに行って、「人権」を盾に人々の命を救いましょう、という活動をする、というのがそもそも難しいなあ、と思う。あとこの映画はそういった活動をしている職員が、安全な地域で持っている家庭の姿もしっかり映していて、その温度差に風邪を引きそうになる。まー、そういう現実のえもいわれぬ気持ち悪さとか、それでも活動する価値はきちんとあるという願いとか、そういうゴチャゴチャとしたものを一個の作品にまとめると、こういう捉え所の無さに行き着いてしまうのかもしれないけれども。
なんかそういう意味では、「ウォッチ」をきちんとする作品になっているというか、事実を描写するに留めた映画ではあるのかなあ。現地の人がどのように生きていて、どのように苦しんでいるかというのを、確かに部分部分では強い映像で切り取っているけれども、わかりやすい「ストーリー」としては提示してないもんなあ。