フォロウィング

フォロウィング 25周年/HDレストア版【Blu-ray】 [Blu-ray]

あー、コレが噂のノーランのデビュー作か。いやー、さすがだなあ。この後のノーランの作風がああいう変遷を辿っていくのがちょーよくわかる。

ひとつのアイディアを元に一方映画を撮ってしまうという監督はまあそこそこいると思うんだけれども、しかしこういう難易度で、しかもタダのギミックだよりではなく、ちゃんと叙情みたいなのを遺せるのはすごいよなあ。視聴者に挑戦するような難易度でありつつも、ちゃんと興味を引っ張ったり面白さの切れ端を味わわせられるこのバランス感覚というのは、いやホント凄いと思う。っていうか、処女作の完成度じゃないでしょコレ。

しかしまあ、思い切った編集の作品だよねえ。たぶんこれ、出来事を順繰りに描いても、まあちゃんと面白い感じの話にできたような気はするんだよね。っていうか、刑事に供述する形で話が始まっているんだから、途中で語りの順番が混乱するのって、普通に考えれば変だよなあ。でも時系列をいじくって、ストーリーのわかりづらさと引き替えに、全体に漂う不穏さと興味を引っ張ろうというその姿勢は、うーんなんか常人の発想と決断を遙かに越えてるなーと思いましたわ。

最近映画館でやってたから、そこで集中して見た邦画良かったかもしれんなあ、とは思った。