ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

数学の世界史

 

いやまあ楽しかったんだけどもう少し数学の知識があった方が良かったなあ。個人的にちょっと興味はあるし出てくる数学者の名前とかは大体知っているけれども、実際数字をあーだこーだ弄る作業はしてないから、もったいないなーという感じ。その由来知らずに数字を操作していて、それがどのような経緯で発見されたか、というのをこの本で理解できたら、面白い経験になっただろうなあ。

いやしかしこれ、世界史の知識がなかったら逆に面白さが減ったりしたのだろうか。例えばイスラム世界がギリシアの文化を保存して、ルネサンスにヨーロッパに逆輸入したくだりとか、世界史の流れを知っているから「なるほど具体的にはこういうことか……」と納得がいくんだけれども、知らないと何のこっちゃい、となるのかもしれんなあ。インドからゼロの概念が導入された、みたいなところで、インドとイスラム世界の関係性も改めて認識させられたりして、そこら辺は大変面白い。

あとまあ一番愉快だったのは幾何学と代数学の関係性だよなあ。ギリシアで幾何学が発展した理由、というのはなんか眉唾っぽいというか憶測って感じだけど、しかしそこにゼノンのパラドックスみたいなのがそこまで影響を及ぼしているとは思わなかった。ピタゴラス教団の話もそうだけど、やっぱり「無限」って概念は人間の直感に反するところがあるよねえ……