めちゃくちゃ面白い! とかそういうわけじゃないけれども、なんか自伝的な感じで、良い作品ではあるよなーと思った。子どもの視点から切り取った、みたいなところが強くて、だからベルファストでの出来事があらかじめ頭に入っていないとちょっとわかりづらいよねーとは思うんだけれども、幸い他の作品で似たようなビジュアルの状況を知っていたので……
なんといっても映画のシーンが印象的だなあ。こういう現実の中で育っていったときに、フィクションというのが心の支えになるというのがまあすごくハッキリと感じられるっつーか。そして、そのフィクションによる支えが、現実の父親の行為に重ね合わさって記憶される、というのもなかなか。ってかそーか、わざわざ冒頭で今のベルファストをカラーで写してからの、モノクロの過去に移動する展開は、ただの時間軸の移動ではなく、そこから先が記憶の中のベルファストであることを示してんだなー。納得。
あとはまあ、ジュディ・デンチの夫妻がまあいい感じ。両親の関係がちょっと厳しいだけに、祖父母がああいう感じなのは子どもにとっては救いだし、そういう人間関係が世界の中にちゃんとあるのは大事なことだなーと思います。