いやまあ、アン女王がやっぱりすごいよなあ。あのキャラクターをよくもまあこんな風に演じられるもんだ。国を統べる人間の公私がこれ以上ない説得力で描かれていると思ったよ。
しかしまあ、女性がトップなだけでなく、女性同士が権力闘争を行う映画だとは思わなかった。そういう立て付けはなかなか珍しいよなあ。でも、いわゆるフェミニズム的な視点がどこまで適応される作品なのかはよくわからん。いや、確かに男のキャラクターならそこがそういう描写にはならないだろうな、という箇所はちょくちょくあるのだけれども、かといって現実の問題と何かが呼応しているのかどうかはわからん。監督が男性というのもあるのかしら……
ってか監督、「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア 」の人か……あの映画もだいぶ妙な作品で、でもだいぶ気品があったかんじだけれども、コレも似たようなとこがあるよなあ。序盤の超広角カメラとグイッとパンする動きとか、あとライティングの感じは、キューブリックを思い出してしまいますね。シナリオの感じも、結構にたところがあるよーな、気もする。